人の心は多面性・・。

 あなた達も、二重人格な人がいる~、職場へ行ったらあの人は人格が変わる、ある話になると一変して熱がこもる、農具を持ったら暴力的になる・・とか、聞いたことがあると思う。

 前にも書いた気がするけれども、人の周りには自分の心を持って接するべき、価値のあるものが点在しているからである。

 職場や学び舎などで集団行動する自分がどうか考えれば分かりやすいかな・・素の自分と変化していたりするのではないだろうか。
 そんな中、友達ができたり良い成果を手に入れて新たな自分の一面に自信を持ったりするのではないだろうか。

 しかぁし!!

 自らの価値観からして、余り価値の無いモノだけれども己が生きるための根本(生活、財産、未来基盤など)に関わる事が関与した場合対して本気に向き合わなければならない時も、理不尽な世の中・・やってくるのかもしれない。

 

 ・・・やってこない事の方が珍しいのかな?

 

 嫌な自分を形成し続けたり、様々な苦行を強いられて、空虚な素の自分を奮い立たせながら生きているのかもしれない・・。

 けどっ!!それでもっ!!人間の心は多面性・・素の自分の心は分離することなく必ず、自分の内で、違う表情の自分の心からも影響を受けて強く形成されている・・自分の大好きな自分は大きく深みを得ているのである。

だから大丈夫、俺(自分)に付いてこいっ!!

     ・・と素じゃない自分に言い聞かせるのだぞ
・・クドクド・・w

母上

 ・・・・。

 赤ずきん帰宅前、母上は先日のある人物との会話を思い返していた・・。

 領主邸の一室にて・・。

母上

 知られたのですか・・”ローズ”の素性が。

領主の男

 すまない、強く迫られてな話さずにはいられなくなった。
 恐らくばあさんの家での”狼”の戦闘員との接触の時からだろう・・。
 奴らが、赤ずきん・・”ローズ”に興味を示し始めたのは。

母上

 あの日、奴らが強行に及ぶまでにお母様と”ローズ”を合わせようと、私が軽い考えで送り出してしまったから・・。

領主の男

 誰も責められるものか、あらゆるリスクを承知の上で6年前、あの子をこの地の住人として受け入れた。

領主の男

 確かに前科があるのかもしれない、だが深い反省の意と時代に貢献するという償いが込められた信念のようなものを、あの日の”ローズ”から感じられたからな・・。

母上

 ・・そうね・・。

母上

 それに、鈍感な子では無いわ・・非常な状態であることは分かってるだろうし・・。

領主の男

 早めに我々も行動しなくてはな、他の地方で受け入れてくれる所は当たってみてはいるが・・やはり快くとはいかないな。

母上

 どうしたものかしら・・できる限りのことはしたい・・。
 でも、”狼”が話の分かる連中とは限らない。

母上

 それに、もう一度”ローズ”と奴らの接触はもってのほか・・。
 今は、別件に当たってるのか”アルヴィド”を離れていると聞いたから安全だけど、用を済ませたらまた来る確率が高い、簡単に諦めるはずは無い。

 話すべきなのか、話すべきなのだが決定事項が少なすぎて、無駄な心配ばかり募らせるのではないかと、話を自分から赤ずきんに打ち出せずにいた・・。

母上

 けど、もう話さないと・・本当に手遅れになる前に・・。

 そんな考え事をしている中、家の入口のドアが開いた。

母上

 ・・っ!・・帰って来たわね・・。

赤ずきん

 ただいま・・。

母上

 おかえり赤ずきん、配達ご苦労様。

赤ずきん

 ”ナシャ”話があるの!

 そう赤ずきんは母上に言葉を投げかけ、家の入口の戸締りを確認した後、テーブルに座る母上に歩み寄り、正面に座るのだった。

 ・・・赤ずきんが母上の名前を呼ぶ、赤ずきんにとって、それが意味するものは・・罪を犯した自分を救ってもらい、家族当然の暮らしを提供してくれた母上との関係の先・・一人の人間として会話してほしいという合図だった。

母上

どうしたのかしら・・”ローズ”

 ちなみにこれで3度目の親子(仮)会談であり、母上も了解の上。


 母上も赤ずきんの名前を呼び返事をする・・

 
 赤ずきんはシーン・・と静まった、ユーモラスないつもとの空間は違う冷ややかな部屋の空気を肌で実感しつつ、話を切り出した。

 

赤ずきん

 ”ナシャ”・・改めて、言う・・私この家を出ること・・アルヴィドを出ようかと考えてる・・。

赤ずきん

 一年前は考えも疎かで、見事に説き伏せられたけど今度は本気よ。

母上

 ”ローズ”・・率直に言うわ、この1年間料理も覚えた、人との話し方にも、もう変な硬さも無くなったと思う・・保護者としては自立しようとする背中を押してあげたいわ・・。

母上

 けど、考えて!他の地域へ行けば素性が知れた瞬間理不尽にも命を狙われる・・。

 事実、旅へでても守ってくれる者も無く、ただ命を落とす可能性が高い、というよりそれしか見えないのだ・・。

 6年前の”ローズ”がそうであったように追われるだけの毎日となることも容易に想像できる。

赤ずきん

 それは覚悟の上よ・・

赤ずきん

 現にもう狙われてるのよ、私は・・。

 毎日昼夜問わず”狼”監視の目が光ってる、明らかに狙いを私に絞ってきてる・・。

 それに”ナシャ”ここ数日・・私と話す時なにか暗く違和感があった・・。

母上

 ・・やっぱり、色々勘づいていたのね。

赤ずきん

 ハハウェは分かりやすいからww

母上

 ・・・うっ!

赤ずきん

 素性が知られないよう、無能で人目を惹かないようしている訳にはいかないと思うの・・。

 私だけ、今の現状に無関心でいる事なんてできないよ・・。

赤ずきん

 私にもPretty babelを・・一緒に悩みを共有して関係を積み重ねて生きたいの”ナシャ”

 私にはその覚悟できてるから、何かあったら言って欲しい・・。

赤ずきん

 守られてる立場だから・・調子いい事は言えないけど・・。

母上

 ・・・・”ローズ”。

母上

 ごめんね・・そうよね・・いつまでも問題から目を背けててもだめだし、無関心を強いるのも苦になるわよね・・。

母上

 どこかあなたを子供扱いしていたのかも・・

母上

 分かったわ、明日にでもおばあ様や領主様とでも立ち会ってどうするか決めましょう。

 話が一区切りしたところ、突然扉をノックする音が部屋中に響いた!

母上

 誰か来たみたい・・。

赤ずきん

 夕暮れ時に・・話の腰を折りよる・・。

 第3話-【2】へ続くぞぃ!

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