なぜ、このような状況になっているのか。
なぜ目の前で美女が僕の家で酒勝手にを飲んではしゃいでいるのか。
それを説明するには少しばかり時を遡る必要があった。
んくっ……んくっ……
…………
ぷはぁ! んまいのぅ!
…………
人の子よ! これはなんて御神酒じゃ!?
……それはチューハイっつうんだよ
おおー、チューハイ! 流石、現世じゃ! なかなかにハイカラな酒じゃのう! ふははははは!
…………
なぜ、このような状況になっているのか。
なぜ目の前で美女が僕の家で酒勝手にを飲んではしゃいでいるのか。
それを説明するには少しばかり時を遡る必要があった。
正人とメシを食って、僕は自分のアパートに帰ってきた。
今日はのんびりして、また明日に備えるか。
なんてことを考えながら僕の部屋のドアを開けた。
ハロー、人の子
あ、すんません。間違えました
やっべ。部屋間違えた。
元旦から出かけたから疲れてんのかな。
改めて部屋番号を確認する。
………………
んん?
何度も確認する。
確認しても目に映る部屋番号は僕の部屋番号だ。
改めて、ドアを恐る恐る開ける。
やぁやぁ、人の子。また会っ――――
ばたん。
返事も待たずして僕は扉を閉める。
…………
何? 何だこの状況。
家に帰ったら知らない女が居座っていた。
何を言ってるかわからねーと思うが、僕も意味がわからねー。
催眠術とかそんなチャチなもんじぇねえ。
もっと恐ろしい片鱗を味わったぜ…………!
とか考えていると…………
おーい、人の子。入らんのか?
居座っていた女がドアがひょこっと顔を出し、こちらの様子を伺っていた。
…………
いやいやいやいや。
どこから突っ込めばいいんだよ。
は、入るかぁーーー!
まず一体全体、あんたは誰なんだよ!
なんで僕の部屋にいるんだよ!
ストーカーか!? それとも宗教の勧誘か!?
いや、そんなことより早く出ていかないと警察呼ぶぞ! そんで二度と僕の部屋に入るな!
一気にまくし立てた後、はぁはぁと息をついた。
まくしたてられた不法侵入女はきょとんとしている。
僕の声を聞きつけたのか管理人のおじさんが駆けつけてきた。
アラタ君!? どうしたんだい?
あ、管理人さん! 良かった。 ちょっとどうにかしてくださいよ。僕の部屋に変な女が…………
変な女?
ほら、そこに突っ立ってるでしょ?
…………
……
管理人さん?
……誰も……いないみたいだけど?
――――え?
ふっふっふ
管理人さんは新年明けてお酒でも飲んで夢でもみたんじゃないとか言いながら帰っていった。
そして、僕は。
この得体の知れない不法侵入女と対面で座っている。