花宮 鈴

黒貴君…宝部屋の鍵を持っている…?

薔薇城 黒貴

…残念ながら…あれは赤貴が…っ!

…黒貴君は話すのにも苦しそうだ。
鍵は…赤貴君が持っているのか…。

私は時計を見た。
…夜中の12時を過ぎている。

花宮 鈴

夜中…12時を過ぎている…。
今から赤貴君に会えたとしても…きっと怒られる。
…怒られても構わない。

私は赤貴君を探しに行こうとした。
すると…。

薔薇城 黒貴

…赤貴は…危険だ…。
レッドクロ…も…あいつが…。

言い終わる前に黒貴君は意識を失ってしまった…。

花宮 鈴

…黒貴君!?

クロア

…しっ!静かにしなさい。
黒貴は意識を失っただけよ。
…宝部屋の鍵を赤貴が管理しているなら…゛地下゛に隠している可能性があるわ…。

地下…?
地下ってまさか…。

花宮 鈴

…あの井戸のこと?

他に思い当たるところはない…。
見落としている可能性もあるかもしれないが、やたら井戸に近づかせたがらない理由がそれなら…。

クロア

…正解よ…。
あの井戸の下が地下よ。

怖いけれど…行かなきゃ。
黒貴君を助けるために…。

クロア

恐らく、井戸があった場所には行けなくなっているから…私が連れて行ってあげる。

え…?
井戸があった場所には行けなくなっている?
どういうことだろう…。

花宮 鈴

…どうやって、連れて行ってくれるの?

クロア

ふっふっ…。

クロアは不気味な笑い声をあげ、何かを唱えた。

たちまち…霧へと包まれていく。

花宮 鈴

…わあっ!

霧で周りは見えない…。
…けれど、なぜか安心だ。

クロア

着いたわ。

目の前にはあの井戸があった。
…降りよう。

クロア

…気を付けてね。
言い忘れていたけれど…井戸の下に番犬が待ち構えているわ。

花宮 鈴

番犬…?

ー続く

愛しの白雪姫には甘い永遠の果実を…

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