鈴宮 蘇歌

…。

俺は学校に遅刻した。
罰として、居残りだ…。
俺が通う学校は規則に厳しく、遅刻した場合…居残りで、補習をやらされる。
なぜ遅刻したかは…。

ー数時間前…。

鈴宮 蘇歌

…は?

女の子

だから、私は蘇歌さんの゛Protection Devil゛…つまり、゛守護悪魔゛です。

゛守護悪魔゛…?
意味がわからない…。
この世に悪魔やら天使やら本当に存在するなんて俺には信じられない。ドラマやアニメとかだけだと思っている。
そもそも、人を守る悪魔なんて聞いたことがない。

鈴宮 蘇歌

…゛守護悪魔゛。
…人を守る悪魔なんているかよ。

ホープ

…いますよ。
その呼び方はやめてください!
それにちゃんと私には゛ホープ゛っていう名前があるんです!

鈴宮 蘇歌

゛ホープ゛…?

変わった名前だなと思ったが、どこかで聞いたことがあるような気がした。

まあ、お店とかテレビとかで聞いたんだろう。

それにしても…。

鈴宮 蘇歌

…さっきからなんで、俺の名前を知っているんだ。

ホープ

…さっきの話聞いていました?

ホープ

゛守護悪魔゛という者は…悪魔界の魔王様によって゛選ばれし者゛からそれぞれ決められた人を守る義務を与えられます。
いつからかは…分かりやすく言えば…蘇歌さんが生まれて名前を与えられ゛選ばれし者゛に選ばれた時になります。
なので、お名前を知っていて当然です。

鈴宮 蘇歌

…。

…生まれて名前を与えられ゛選ばれし者゛に選ばれた時。
馬鹿馬鹿しい…。そんなファンタジー的な話なんて現実に起こるわけない。
゛選ばれし者゛ってなんだよ。
それに…俺はこの名前を気に入っていない。
だから余計に腹が立った。

ホープ

…信じられない…というより信じたくないとお見受けられます。
それなら、証拠をお見せします。

そう言って、ホープという奴は本を取り出した。
…なんだ、これ…魔導書?
まさかな…。

ホープ

…我が魔導書よ、選ばれし者に印を授けよ。

鈴宮 蘇歌

なんだ…これ!?

ホープという奴が何かを唱えた後、突然霧に包まれ…゛ダークホール゛のようなものが出てきた。

中から…指輪のような物が出てきた。
…薔薇の印がついている。

ホープ

…それを中指におはめください。

誰が大人しくはめるか!って…。

鈴宮 蘇歌

え…。
勝手に…!?

指輪は自ら中指に行った…。

鈴宮 蘇歌

…っ!!
取れない…!?

指輪はぴったり中指にはめられていて取れない…。
くそ…。
一体なんなんだ…。

ホープ

…その指輪は゛契約の証の指輪゛。
゛選ばれし者゛の印になります。

ホープ

じゃあ、また後程…お迎えに上がります。

鈴宮 蘇歌

…ちょっ!?

…この状況に俺は信じるしか選択がなかった。

鈴宮 蘇歌

あっ…やべ。
…完璧に遅刻だわ。

と言うわけだ。

鈴宮 蘇歌

…そろそろ帰宅して良い時間か。

俺は準備をし、帰宅することにした。

鈴宮 蘇歌

…ただいま。

???

おっ!お帰り。

笑顔で迎えてくれたのは…兄貴の゛鈴宮 鳴瀬゛だ。
言い忘れていたが、兄貴と二人暮らしだ。
両親は…数年前に事故に遭い他界した。

鈴宮 蘇歌

…今日も疲れきっているな。

…そう。
兄貴は俺を養うため学費まで稼ぐために無理をしている。

鈴宮 鳴瀬

…そんなことないぞ。
ほら、今日は早く帰れたし…。

確かに…夕方頃の帰宅は珍しい。
いつもは夜中に帰宅してくる。

鈴宮 蘇歌

今日何で早いんだ?

鈴宮 鳴瀬

…ふっふっ、よくぞ聞いてくれた。

鈴宮 鳴瀬

研究が進んだのだ!

鈴宮 蘇歌

…嘘だろ!?

俺は驚きを隠せなかった…。
兄貴は研究員で
兄貴が関わっている研究は…゛悪魔について゛だ。
…タイミングが良すぎる。

鈴宮 鳴瀬

…これは秘密なんだが…今日の昼間、匿名で封筒が送られてきてな。
゛写真゛が入っていたんだ。

ー続く

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