ハルカ

どっちにしようかな~

ハルカ

右かな~

ハルカ

左かな~

アカネ

早くしなさいよ~

ハルカ

じゃ~ね~
左にする~

こうして左の道を進む事にしたハルカ
この選択がハルカの運命を変える事になる!

ハルカ

ねぇ~アカネちゃん
今日も空が奇麗だね!

アカネ

そうね。
いつもと変わらない気もするけど。

ハルカ

うぉ~
奇麗な噴水があるよ~

アカネ

あんたね~
この道通る度に言ってるけど~
いつになったら飽きるのよ!

ハルカ

ありゃりゃ
そうだっけ~?

ハルカ

いつ見ても、
奇麗なものは奇麗なのよ!

アカネ

そっか

アカネ

あんまりキョロキョロしてると
危ないんだからね。

ハルカ

いった~い。
ぶつかっちゃた!

ヒロ

いてて。

アカネ

大丈夫ですか?
ごめんなさい。
この子、前を見ていなくて。

何故かハルカの代わりに謝っているアカネ。
いつもの事ではあるが、こうしてみると
母親的な立場も担っているのかもしれない。

ヒロ

あぁ~。
僕は大丈夫だから、気にしないで。
それより、あの子大丈夫?

アカネ

ハルカは大丈夫です。
いつもの事ですから・・・。

ヒロ

あの子、
ハルカちゃんっていうのか。

そう言って立ち上がるヒロ。
ヒロはハルカの目の前に行き手を差し出す。

ヒロ

ハルカちゃん、ごめんね。
大丈夫?

ハルカ

だ、大丈夫です。
こちらこそ、ごめんなさい。

ヒロ

お詫びと言ってはなんですが、
今度お茶にいきませんか?

ハルカ

えっ!
でもね、
ぶつかっちゃたのはこっちだし。

ヒロ

じゃ~、分かりました。
お詫びに僕とお茶して下さい。

ハルカ

それなら、行きます。

アカネ

結局、行くんかい!
ってか、チャライな!

ヒロ

では、今度連絡しますね!
バイバイ、ハルカちゃん。

ハルカ

バイバ~イ。
あれ、誰だっけ~?

ヒロ

僕の名前はヒロだよ!

ハルカ

ヒロ、バイバ~イ。

こうしてヒロと出会ったハルカ。
ヒロとハルカが、自分を無視して仲良くなって
いく事にちょっとイラっとしたアカネであった。

アカネ

なによ、照れちゃって~

ハルカ

あれ、ハルカ照れてたの~?
恥ずかしい~。

アカネ

ホ~ホッホ。

ワタシなんて、
あの程度のイケメンなら動じないわよ。

ハルカ

アカネちゃん。
相手にされてなかったからでしょ!

アカネ

あんな奴、こっちから願い下げよ!

ハルカ

ふぁ~?
アカネちゃん、必死に話してたじゃん。

アカネ

そんな事、ないもんね!

そんな話をしながら、学校に向かう二人。
学校では変わらない日常を過ごして、
帰ろうとしたその時。
ハルカの携帯が鳴った!

ハルカ

うぁぁ~
ヒロからの電話だよ!
どうしよう?

アカネ

でれば良いじゃん!
電話。

ハルカ

そうだよね。
もっしも~し。
ハルカだよ。

ヒロ

ハルカちゃん。
元気そうで、良かった。

ハルカ

もちろん、元気だよ。
ヒロ君は大丈夫なの?

ヒロ

大丈夫だよ。
そうだ、お茶はいつにしようか?

ハルカ

今週の土曜日なら、空いてるよ~。
アカネちゃんもね。

アカネ

ハルカ、ちょっと!
なんでワタシも一緒なのよ!

ハルカ

良いじゃん。
折角だから、おいでよ~

ハルカ

ねぇ、良いでしょ~?
ヒロ君、
アカネちゃんも一緒で良いよね?

ヒロ

僕は良いよ。
アカネちゃんさえ良ければね。

ハルカ

やった~!

アカネ

っで、ヒロ君は何て言ってるの?

ハルカ

一緒で良いって、言ってるよ。

アカネ

もしかして、私の事が好きなのかしら?
ハルカには悪いけど、口実なのかしら?

アカネ

ハルカだけじゃ心配だから、
ついて行ってあげる。

ハルカ

決まりだね。

ハルカ

じゃ~、ヒロ君。
バイバ~イ。

ヒロ

バイバイ。

ヒロ

良かった。
これでハルカにお礼が言える。
本当にお礼を言わなければならないのは
僕なんだから・・・。

そして、土曜日!!

ヒロ

ハルカちゃん。
来てくれて、ありがとう。
それに、アカネちゃんもね!

アカネ

なによ、
私はおまけみたいじゃない!

ハルカ

まぁまぁ~。
ヒロ君、今日はありがとうね。

ヒロ

今日は僕がご馳走するから、
好きなもの頼んで良いよ。

アカネ

じゃ~、私はケーキと紅茶!
それに・・・。

ハルカ

私はパンケーキ。
あとは、オレンジジュース。
それに・・・。

ヒロ

じゃぁ、僕は珈琲で!

普段は何をして過ごしているとか
何が嫌いだとかいう話をして盛り上がった三人。
不思議とハルカとヒロの意見が合い、
ハルカのほのかな恋心に火が付いた。

ハルカ

ヒロ君、今度は遊びに行こうよ~
ね?

ヒロ

いいよ。
何処に行きたいの?

ハルカ

え~とね、
遊園地に行きたいなぁ~

ジェットコースタでしょ!
観覧車でしょ~!
後はね・・・。

ヒロ

アカネちゃんは、そこで良いの?

アカネ

ワタシ、行かないわよ。
そんなの、二人で行きなさいよ。

ヒロ

そうなると、デートっぽくなるけど
ハルカちゃん、良いの?

ハルカ

うぁぁ。
でも、なんか嬉しいな!

ヒロ

じゃ~今度は遊園地に行こうか。
ハルカちゃん、今日は遅いし
そろそろ帰ろうか。

ハルカ

ふぁ~い!
遊園地、たのしみだなぁ~

アカネ

もう
彼氏彼女の関係みたいじゃない。
ハルカ良かったね、
遊園地行ける事になって。

ハルカ

うん

こうして、次に会う約束をした二人だった。
出会うべくして出会った二人は
この後、急速に接近するのであった。

幾日か経過した今でも、
ヒロにはハルカに言えない秘密があった。
それは、ヒロは人間では無いという事だった。
ハルカとの楽しい生活を手放したくないヒロは
ついつい、言うタイミングを逃してしまっていた。

そして、これは・・・
ハルカとヒロの本当の出会い!

ハルカ

うぁ~!
小鳥さん、大丈夫~?
痛そう~

ヒロ

チュン、チュチュン

窓が開いていて、
迷い込んでしまったのであろう。
外の景色を見て飛び出そうと瞬間
窓ガラスに激突するのであった。
そして、悶える小鳥を見つけたハルカは
急いで獣医科に連れていくのであった。

ハルカ

小鳥ちゃん、ちょっと我慢してね。
すぐ先生に診てもらうからね。
死んじゃ、ダメだからね!

ハルカ

先生、この子診て~
お願いだから。
ね~診てよ、苦しそうなの。

ヒロ

チュ~ン

獣医師

仕方無いですね。
他の先生には、黙って置いて下さいね。

ハルカ

っで、どうなの?
この子大丈夫なの?
窓にドンってぶつかって苦しそうなの。

獣医師

ちょっとパニックになってますが
2、3日も安静にしていれば
怪我も良くなりますよ。

いま外に出るのは危険なので
少し様子をみてあげて
元気になったら
放してあげれば良いですよ。

ハルカ

いつも、ありがとうね。
先生。

獣医師

心優しい人の気持ちを
踏みにじりたくないのでね。
ただね、こういう事を良く思わない
大人もいるので黙っておいて下さいね。

ハルカ

ふぁ~い。

ハルカ

小鳥ちゃん、良かったね。
元気になるまで、
ハルカの家に居れば良いよ。

ヒロ

チュ~ン

そして月日は流れて、
ハルカと再会するのであった。
もちろん、人間の姿で再開を果たしたので
ハルカは気が付かなかったが・・・。

そして少女は恋に落ちる!

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