クロウ

うわぁ・・・!

あれから宿屋を出発して約3日

特に襲われることもトラブルに見舞われることもなく問題なくすごすことが出来た

馬車の旅というのは慣れてくるとなかなか楽しいもので僕はストレスなくここまで来れた

そう、そしてここが・・・

クロウ

ここが・・・王都イチリン!

そう、僕は今追うとイチリンへとたどり着いた

といってもまだ外壁だが

外から見回している形だ

話によるとこの後このあと検問を行うらしい

魔物に襲われることもなかったのに必要なのかとディフさんに聞くと

ディフ

まぁ不審者を町にいれるわけには行きませんからね
いくら道があって魔物が出ないといってもそれはあくまで魔物の活動範囲外というだけですし
何時何が起きても困らないようにするには当然でしょう

どうやら魔物に襲われなかったのはそもそも活動範囲だったかららしい

少し道を逸れれば魔物に襲われる可能性もある

道に出ないのは定期的にギルドから依頼を受けた冒険者が周辺の魔物の掃除を行うらしい

とまってくれ!

声が聞こえた

今僕たちは門の前にいる

ということは先ほど行っていた検問だろうな・・・

検問だ
申し訳ないがここへきた理由と積荷を見せてくれ

ディフ

ここへきたのはヤマト学院の受験生の送り届けのために馬車で着ました
積荷は食料等の生活用品
そして受験生が2人です

念のため、確認させてもらっても?

ディフ

ええ、かまいませんよ

その言葉に兵士さんは馬車の後ろからこちらの見える位置に来て僕らを覗き込む

特に問題はないと判断したのか通行を許可してくれたようだ

入学試験がんばれよー!

後ろから声が聞こえてくる

優しい人だな・・・と思いつつ僕は街へ入ることが出来た

クロウ

うわぁ・・・!すごい!
人がいっぱいだ!

町へ入ってから馬車から景色を見る

人 人 人 人だらけだ

こんなに人を一度にたくさん見るのは初めてだ

いろいろなものが売られていて町全体がワイワイガヤガヤと活気に満ち溢れていた

ミラ

フフフ
そういえばクロウさんはイチリンの町は初めてでしたね

あ・・・いけない

どうやら顔に出ていたようだ

少し恥ずかしいなと思いつつ

クロウ

はい!
すごいですね、とってもにぎやかで楽しそう

イチリンはこの町を中心にかなり広い範囲を国としている

まぁこの町は国の中心で城があるのでイチリンという街なのだが・・・

一応僕のもともと住んでいた屋敷にも近くにも町がありちゃんと名前があった

ミラ

私は何度か来たことがありますが
そうですね
ここはとても楽しいところですよ~

ちょっとした補足をミラさんがしてくれた

そこでガタン、と馬車が音を立てて止まった

なんだろう、と思うとディフさんが

ディフ

着きましたよ
ここがイチリンの宿です
自分がお付き合いするのはここまでですね

どうやら目的地まで着いたようだ

ディフさんは短い間だがとても良くしてくれたし感謝している

クロウ

ディフさん、3日間ありがとうございました
とても助かりました

ディフ

ハハハ
助けていただいたんだからこれぐらいは当然ですよ
基本私はこの町に滞在しているので入学できたらまたご利用ください
あ、次はお金をいただきますよ?

そういってディフさんは笑う

僕たちは握手をしっかりとした後に分かれた

さて、と

最後にディフさんが送り届けてくれた宿に入ろう

ミラ

クロウさんはこれからどうするんですか
試験まではあと2日ありますよ?

そう、そうなのだ

試験は明後日

この2日間をどうしていようか

宿代はあるので問題はないとして・・・

クロウ

うーん、特に決めてはいませんね
町でも見て回ろうかと

と当たり障りのない返事を返した

するとミラさんは目を輝かせて

ミラ

なら、私がご案内しますよ~!
ここへは何度か来たことがあるので言いお店とか教えます~
どうせ私も同じ宿に止まりますし~

うれしい提案だけど・・・

クロウ

いいんですか?
疲れているんじゃ・・・

ミラ

いえいえ~ご心配には及ばず~
こう見えても実は体力あるんですよ~

そういってミラさんは力瘤を作るポーズをする

分かってはいたけど面白い人だなぁ・・・

クロウ

ありがとうございます
でしたら、明日はお願いしてもいいですか?

ミラ

まかせてください~

僕はミラさんと約束をした後に宿を2部屋取り

また明日、と挨拶をしてこの日は別れる

クロウ

友達って、こういうのなのかなぁ
アハハ

なんだかミラさんといると楽しいなと思いつつある僕だった

pagetop