奥には妖しく光るまねき猫が鎮座していた。


これもじいさんのコレクションの
からくりの一つなのか?



見てみてもなんの変哲もないまねき猫だが…



頭を撫でてみても何も起きない。


しかし奇妙なのは撫でてみたものの
手には埃がつかない。


誰かが磨いているのだろうか?


しかしこんなものの存在を
30年程住んでいたにもかかわらず
知らなかったし…

妻も知るわけがない。
謎は深まるばかりだ…


ん?このまねき猫には大きな鈴がついているなぁ
真鍮の鈴じゃないか。


鈴に触れると案の定チリンチリンと鳴る。
鈴の音が蔵の中に響くと急に猫の声が…


それと同時に
目も開けていられない程の眩い光が
まねき猫から発せられた。

あまりに眩しく見えなかったが
そうであるに違いない。

光がおさまると一陣の風が頬を撫でる。

ここは蔵の中だろ?何故風が…

目をあけるとそこにはまねき猫が納められた祠と草原が目の前にひろがっていた…

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