紫煌石を愛でるように手の中で弄ぶラヴェルノに、先代魔王の怒声が叩き付けられる。
契約者であるブラウディムは死に、本来であれば、契約内容を最後まで叶える事の出来なかったラヴェルノは、その代償を要求する権利はない。
だというのに、ブラウディムの遺体を消し去り、伝承の世界の物とされていた、神の涙……、紫煌石をその手中に収めてしまった。
その上、もういないブラウディムの望みを叶えると……、あきらかに無意味。
下手をすれば、破壊神と化した『魔王』によって、世界が終わってしまう可能性もある。
しかし、ラヴェルノは引き下がらない。