建て付けの悪い重いガラスの扉を押すと
あたかもお化け屋敷の洋館の扉を開ける時のような
「ギィーっギギギ」
と言う音が寮内に響き渡った。
ほとんどの学生達は遊びに勤しんでいるようで
寮内には殆ど気配がない。
振り返ってみても殆どの部屋の窓には灯りはともっていない。
門灯の灯りだけが辺りを照らしている。
その門灯の明かりに照らされて見える夕刊が
遊びに行って朝から帰ってきていないのを
物語っている。
読みたくもない新聞を部数稼ぎで
補助金を上から頂くためだけにただで
あるいはお金をもらって
とっているのが大方なのだろう。
そこらじゅうにチラシが散らばっている。