帰還!
帰還!
急いで中を開けた。
悠真!
のどかな和室にはそれまではなくなっていたちゃぶ台があった。
少し量を減らした寿司も乗っている。
でも、そこに悠真はいなかった。
悠真! 悠真! 悠真!!!
まさか、異空間から戻ってきていない?
どうしよう……。
悠真が異空間に取り残されちゃったら……。
落ちついて。
悠真がいない! ちゃぶ台はあるのに悠真がいないわ!!
柳之助の胸倉を引っつかむ。
どういうこと? 2日、待ったのに、悠真が居ないじゃない!!!
柳之助の表情が微妙に変化する。
超まじめモード。
多分、悠真がどこにいるか、可能性をはじき出しているんだと思う。
ん?
柳之助が和室の窓の外を見たから私もそこを見る。
……ちゃん。
あの声は……。
悠真?!
姉……ちゃん。……お…姉ちゃん。
声が段々大きくなる。
お姉ちゃん!
窓から鳥に連れられた? 悠真が入ってきた。
悠真?!
何着てるの?
お姉ちゃ~ん!!!
鳥と一緒に抱きついてきた。
ぴっ(あども、ご無沙汰してます)
鳥は抱きつい来るっていうか、肩に乗ってピーピーなんか言ってた。
この鳥……。
栄井さんが作ってた鳥……?
麻里亜もいじってたけど……。
ピーちゃんが助けてくれたんだ!
ピーちゃん?
そんな名前だったっけ?
悠真、なんて格好しているの?
はやく脱ぎなさい。
あ、うん。
生命維持装置だって言われて、着てたんだ。
もうこんなことさせないから、脱ぎなさい。
うん。
悠真にパーカーを渡した。
ボクのパーカー……。
悠真は嬉しそうにそれに着替えた。
でも、ちょっとだけ楽しかったな……。
なんか言った?!
い……言ってないよ!
もう。
心配したんだからね。
お姉ちゃ~ん。
何ごともなく帰ってきてくれてよかった……。
悠真でよかった。栄井が行っていたら、今ごろ時空の狭間でどこにいるのか探すのが困難だっただろう。
否めないね。
もう、そんなこと言って。
ホントに大変だったんだからね。
悠真は、タイムマシン内でのことを説明しだした。