次の日、太陽がようやく部屋を照らす頃になると目が覚めた。
頭が痛い。。。。
昨日はたった一杯日本酒をのんだだけなのに…

とうとうラジオが壊れて音が出なくなった。
かすかにニュースを伝えているのがわかる程度で
「サー」
という、砂嵐の音が殆どで細かい内容がわからない。
いつものように牛乳を飲んでから朝ご飯を食べに行く…
するともう一個も残ってない…
おばさんに聞くと

「あんた二日酔いで食欲ないからいらないって部屋に行った時に聞いたらそういったじゃないの、だから用意しなかったけど」

と言われた。
そんな事を言った覚えは無いけど寝ぼけてそう言ったんだろうか??
確かにそれ程食欲はない。
それで結局朝ご飯はぬきで西倉の奴を呼んでお寺に向かうことになった。今度は一発で電話にでたので話は早かった。
そして間もなく車が寮に着いた。

身動きがとれない程気分はすぐれなかったが
御祓いをうけたらもしかしたら気分がよくなるかも

いう淡い期待を胸に西倉の車に乗り込んだ。

「悪いな西倉付き合ってもらっちゃって」

「いいって、最近お前変だから俺も気になってたし。ただ単に興味もあったからな」

車内の会話も少ないまま数分間の沈黙が続いた。
もしこれが心霊現象ならなかなかお寺に着かなかったりするんだよな…
なんて考えながらも道を車は進んでいく。
ずっと同じ所を走っていると…

思ったのもつかの間、あっさりお寺に着いた。
住職に会うと間もなく。

「ああ、あなたか」

と見るなり床を指差すと

「まぁ、座りなさい」

と言われた。

「あなたの悩みはわかっておる
最近まわりでおかしいと思う事があるじゃろう」

「ええ、最近まわりで身に覚えがない事があるんです」

最近あった事を話していると
西倉が珍しく神妙な顔をしてこちらを見ている。

「そうか、私に言えることはな
影が見える。
君自身この言葉の意味がわかっているかどうかはわからないけどだな…
新月に近づくと体調が悪くなるのも其のせいだろう。
君は片割れに会うことになるはずだ。
あとは明日、明後日の新月に答えが出ると思うから
また迷った時はここに来なさい。」

そう言うと住職は立ち上がり数珠をくれた。

「これを持って行きなさい
あなたのやくにたつだろうから」

そう言うと踵を返し本堂の奥へと消えていった。

寺からの帰り道。
不思議なことにさっきまで五月晴れだったはずが
雷鳴轟く嵐にそらは姿を変えていた。

西倉が

「最近おかしいと思っていたけどそう言う事だったのか、西洋の話だけどお前"Doppel gӓnger"って知ってるか??」

というと、語り始めた…

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