橘杏子

な、なにしてるんですか?

こんな赤面した表情見せたくなかったのに。

もうなんか年下に翻弄されている気がする。
恐るべし、年下。

坂田結城

何って・・・
分かんないの

抱きしめてるんだよ

今どきの若者は、こんな大胆なこと
普通にやって見せちゃうのかな?

____それだったら嫌だな

って何よそれ、自分。意味がわからないよ


なんだろ、これ。

橘杏子

だから、なんで
抱きしめてるんですか

坂田結城

気付かせてやろうと思って。

お前は俺のものなんだよ
だから浮かれてるんじゃねえよ

橘杏子

私は誰のものでもありません

照れを隠すため、つい強い口調で言ってしまう

素直になれない自分に思わず自責する。

坂田結城

だから、優と仲良くするな

橘杏子

は・・・?
さっきから何言ってるの?

坂田結城

分かんねえのかよ。

お前は・・・

橘杏子

私は・・・?

坂田結城

俺の召使いだろ?

橘杏子

そんなことですか。

私は、あなたの召使い
じゃなくて世話係です!!

坂田結城

本当、頑固だな

橘杏子

頑固じゃなくて
事実です!!

坂田結城

だから俺のこと
結城って呼べ。

橘杏子

え、でも・・・
世話係ですし、
一応、社長の息子さんですから

坂田結城

一応は余計だけど・・・

俺の言うことに従え。
それに敬語じゃなくていい
分かったか?返事は?

橘杏子

はい・・・

坂田結城

何かされたら言えよ。
それと・・・

そう言ったと同時くらいに
結城の携帯が鳴った。

坂田結城

夏子?え、今?
優の家にいるけど・・・
今から行く?

ちょっと・・

というと電話は途切れてしまったようだ。
今の電話の相手が噂の夏子さん・・・。

でも、こっちに来るということは
対面するってこと?

橘杏子

あの、結城・・さん
私、いない方がいいんじゃ

坂田結城

全部話すよ。
夏子のこと。

だから話を聞いてもらってもいい?

橘杏子

勿論です・・・

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