その日は朝から臣下と大事な話があり、終わる頃には昼を過ぎていた。
疲れた僕は、優華のもとへ向かおうとしていたのだが、その途中で何人かの少女に呼び止められてしまった。
見ると、それは新しい6人の妃たちの集まりだった。
花を愛でながら、菓子や茶を楽しみながらおしゃべりに興じていたようだ。
その中には、母上の一番のお気に入りである、曄という娘もいた。
母上にあとから訴えられても面倒だと、僕は彼女たちの会に参加することになってしまった。
彼女たちとは知りあって日も浅いことから、あまり言葉を交わしたこともない。
かつて婚姻を失敗した経験もあり、普通の女性は僕の病気を気味悪がるものだとばかり思っていたが、彼女たちにそんなそぶりは見受けられなかった。
しかしながら、やはり女性に囲まれて話すことには慣れていないこともあり、居心地のいいものではなかった。
理由をつけてその場を去ろうと思ったのだが、彼女達の剣幕に負けて結局1刻以上いた気がする。
彼女たちがそろそろ話に疲れてきた頃に、大事な用があると言って席を立った。
その帰り、廊で珍しい人に会った。
姉上である。
姉上は最近の後宮は居心地が悪いと言ってこちらには訪ねてこようとしなかった。
そんな彼女がいたことに驚いたのとともに、お互い最近忙しくて会うことも減っていたので、久々に会えてうれしかった。
しかし、笑顔を向けた僕とは正反対に、姉は険しい目を僕に向けた。