波ナミコ

高円寺さん!

本間マコト

大丈夫か…

高円寺コウジ

それよりシンが…

コロック

…これは

高円寺コウジ

眠っているだけです

コロック

だが…

本間マコト

高円寺くん。よく聞いてほしい


























高円寺はシンをスルトウの憑依から救う
唯一の方法を聞かされた。


異次元の果てにある『チナトゥの木』
のところまで行かなければならないこと。

扉の向こう側は時間の流れが速く、
シンを救い、扉の元に戻ってこられたとしても、


本間博士たちと再会できるどころか、

人類が存在しているかどうかさえ
定かではないということ。







高円寺コウジ

コロック

『チナトゥの木』までは私が連れていくことができる。だが、お前たちのいない世界に戻ってきたところで意味のないことだ。

だからこのまま…

高円寺コウジ

僕も行きます

コロック

なにを…

高円寺コウジ

僕も一緒にその木のところまで行きます。コロック、案内を頼む

コロック

人類の危機は過ぎ去った。シンは自分の身体を犠牲にして世界を救ったのだ

コロック

君までも自分を犠牲にする必要は…

高円寺コウジ

約束したんです

本間マコト

高円寺コウジ

僕がずっとそばにいると。

もしこちらの世界に帰ってきたときに人類が滅びていようが、僕はシンのそばに居続ける








本間マコト

本間マコト

そういうだろうと思っていたさ

高円寺コウジ

…博士

本間マコト

寂しいなあ…。

シンのためなら僕らに会えなくなっても平気なんだな

高円寺コウジ

いや…。そういうわけでは…

本間マコト

本間マコト

行ってこい

高円寺コウジ

本間マコト

あの扉のことはまだ全部わかっちゃいない。もしかしたら、すぐにでも帰ってこれるかも

高円寺コウジ

本間マコト

シンにはお前が必要だ

本間マコト

いつまでもお前とシンの帰りを待ってる

高円寺コウジ

博士…

本間マコト

まだ超能力の決着は付いてないからな!絶対帰ってこい

高円寺コウジ

…はい





























コロック

では行くか…

高円寺コウジ

はい

本間マコト

じゃあなー!

波ナミコ

高円寺さーん…

高円寺コウジ

またねー!
















波ナミコ

行っちゃいましたね…

本間マコト

ああ

波ナミコ

すぐに帰ってこれるかもというのは

本間マコト

…絶対にないだろうな

波ナミコ

波ナミコ

博士はこれからどうするんですか…?

本間マコト

本間マコト

さあね























コロック

この部屋には来たことがあったな

高円寺コウジ

うん。でもこの部屋の外は初めてだ…

コロック

シンを背負ったままだが、重くないか? なんなら代わってやっても

高円寺コウジ

いや、大丈夫。このままで行くよ

コロック

心の準備はいいか?

高円寺コウジ

うん

コロック

では…















コロックが拳を壁に突き立てた。



意外にも脆く崩れた壁の向こうに、

禍々しい色をした荒野が広がっている。








コロック

さあ長い旅の始まりだ











僕らはひたすら歩き続けた。


日にちの感覚など、とうに消え失せた。

昼も夜もない世界。必要はなかった。













































































































































そして…
























高円寺コウジ

あれが…

コロック

チナトゥの木だ

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