お久しぶりなので…


前回までのあらすじ



新川シンの身体を乗っ取り
現世に現れた異次元の神・スルトウ。


親友であるシンの身体を
傷付けるわけにはいかず、苦戦する高円寺コウジ。


もはや万策尽きたかと思われたとき、
異次元の住人であるコロックから、

シンのスルトウを元に戻す方法が
一つだけあることが知らされる。


しかしその方法は
異次元の果てを旅するものであり、

成功しても現世には帰れない
(なぜ帰れないかは前の話をチェック)
絶望的なものだった。

そして未だ謎のコロックの正体。


あの告白が意味するものとは?

シンは助かるのか?

高円寺はこの状況を打開できるのか?































波ナミコ

博士! あのままじゃ、高円寺さんが!

本間マコト

もう糖狂バナナもない…

コロック

私が行く…!

波ナミコ

コロックさん…

本間マコト

いや待て!高円寺くんへの君の気持ちはわかった

コロック

本間マコト

だが、もし君までやられてしまったら困る。

シンとスルトウをわかつ術を知るのはあなたしかいないのだから

コロック

そうだが…、このままでは

本間マコト

いや放っておきましょう

波ナミコ

え!?

コロック

何を言っている!スルトウは今にも高円寺を殺そうと…

本間マコト

スルトウは高円寺を殺せませんよ

コロック

なんだって…?

本間マコト

確証はないです。

…この仮説は合っててもらわないと困るが

コロック

確証はないだと? お前は友人を見殺しにする気か?

本間マコト

私は科学者です。私ができることはこれしかないんですよ

コロック

ついに頭がおかしくなったか

本間マコト

違いますよ。頭は冴えわたってます

コロック

どういうことだ

本間マコト

私は、コロックさん、あなたを信じることにした

コロック

!?

本間マコト

あなたの依代…。
見当がつきましたよ

コロック

本間マコト

私は、あの扉に関する研究ではこの世界で一番だと自負しています

本間マコト

その私が出した仮説だ。
外れてもらっちゃ困る

コロック

本間マコト

コロックさん

本間マコト

あなたの依代は

高円寺の母親だ

波ナミコ

え!

本間マコト

そうでしょう?

波ナミコ

そんな…!じゃあコロックさん…。
あなた、高円寺さんの母親を食べ…

本間マコト

ナミコちゃん。言いたいことはわかる。でもな…

コロック

…そうだ。

私が乗っ取ったのは高円寺の母親、戸隠佐依子だ

波ナミコ

なんてことを…

本間マコト

ナミコちゃん、これにはおそらくわけが…

コロック

本間博士、理由はどうあれ、乗っ取っていることは事実だ。

言い逃れはできん

本間マコト

しかし…

コロック

そんなことより仮説とやらを聞かせてくれ。スルトウは高円寺を殺せないとは?

本間マコト

…ああ。あなたは高円寺を見守り続けた。それはもちろんあなた自身の意思も多分に含まれるだろう

本間マコト

しかし、それ以上に依代である戸隠佐依子の意思も大きい

コロック

…!?

本間マコト

依代にされてもその人間は異次元のものたちの中で生き続けている

本間マコト

そして乗っ取っているつもりでも、依代の影響からは逃れられない

コロック

そうか…

本間マコト

きっとスルトウの中でもシンは…

波ナミコ

戦っている…

本間マコト

シンが本当に高円寺のことを大切に思っているのならば…











うわあああああ!!

波ナミコ

!?

本間マコト

!?

コロック

高円寺!













スルトウ

……くっ!!なんなんだ…っ!

波ナミコ

スルトウが…?

本間マコト

仮説は実証されたようだな








スルトウ

やめろ……。言う…ことを……きけ…

高円寺コウジ

スルトウ…






……暗い

高円寺コウジ

!?

高円寺コウジ

シン…。シンなのか!

新川シン

高円寺…くん……。どこに…いるの……

高円寺コウジ

シン! 今助けるからな! ここにいるよ!

新川シン

どこ……

スルトウ

くっ…!なめやがって……人間ごときが…








本間マコト

奴の身体の中でシンとスルトウがせめぎ合っている



























波ナミコ

危ない…!

コロック

なぜ高円寺は避けない…






高円寺コウジ

シン…聞こえるか…

新川シン

聞こえるよ…。でもどこにいるんだい…?

高円寺コウジ

そっちは暗いのかい?

新川シン

そうなんだ…。道標さえあれば…スルトウなんか……

スルトウ

道標だ…? 人間が…!
人間が俺様に…盾突くなど……

高円寺コウジ

道標…









高円寺コウジ

シン、僕はここだ

























































本間マコト

!?

波ナミコ

眩しい…

コロック












スルトウ

うわああああああ!

高円寺コウジ

シン…

新川シン

高円寺くん!君が見える!

高円寺コウジ

よかった…

スルトウ

くそ……。お、…俺が……まけ…

新川シン

スルトウ、しばらく僕と一緒に眠ってもらうよ

スルトウ

ふざ……けたことを…

新川シン

高円寺くん。しばらくお別れだ

高円寺コウジ

え…?

新川シン

スルトウの力は強い。抑え続けることは不可能だ。だから彼と一緒に眠りにつく。


死ぬわけじゃないよ

新川シン

もし夢の中で彼と仲良くなれたら、交渉次第で僕の身体から出て行ってくれるかもしれないし

高円寺コウジ

シン…

新川シン

だからさ。たまにでいいんだ。こうして手を繋いでくれないか?

新川シン

君がここにいるよ、って教えて欲しい

高円寺コウジ

高円寺コウジ

わかった。約束する




新川シン

…ありがとう

新川シン

じゃあ、またね

高円寺コウジ

ああ、またね


















高円寺コウジ

高円寺コウジ

シン…。シン…!

新川シン
高円寺コウジ

高円寺コウジ

大丈夫…。
僕はずっと君のそばにいる









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