あった……。

小学校から持っているノートだ。

私はこのノートを捨てずにこれまで持っていた。

そのノートには…

あんどう…

ふみや。

そこには私が倒れていた。

―――――――――!!

彼は私になにか叫んでいた。

もう聞こえないよ。なにも。

両親が何か話していた。

――――――――。

――――――――!!

言い争っていた。

そこへ私が扉を開ける。

――――――?

………

…………

両親は黙り込んでしまった。

私は手紙を書いて自殺した。

私の脇腹にナイフが刺さっていた。

――――――

―――――――

―――――

私は薄れゆく意識の中、彼を見ていた。

――――。

彼は自分の首にナイフをあてる。


私は叫んでいた。

死んでほしくなかった。

生きてほしかった。


だってどの私も『文也』に一度も思いを伝えられていなかった。

どの私も私なのだから、あなたが好きなのに。

文也の嘘つき…

次の私は幸せにしてって言ったじゃん…

私は何度死んだってよかった。
だっていつも文也がいてくれた。

それだけで私は満たされていたのに…

それ以上はなにも望んでいなかったのに…

どうして文也が死ぬの…

どうしてだろう。

空虚の理由を見つけたのに、なぜ心の飢えは広がるんだろう。
おかしいよね。
間違ってるよこんなの。




………違う。間違ってなんていない。

そんなことなんてわかってる。


文也は私を思い、私は文也を思って行動した。
それだけのこと。
ただほんの少しすれ違っただけ。

だからこの結末はきっと正しい。

だけどね、

私は文也に生きててほしかったんだよ。

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