“Eternal Bloom”のメンバーは、全員同じ家に住んでいる。
広いリビング、キッチン、生活するのに必要な最低限の設備を備えた個人の部屋と、練習のためのスタジオまで備えた大きな建物である。
メンバーがそこに住むことを取り決めたのはリーダーの将さんで、一度も破られたことはない。
建物が建ったあの年――兄さんが自ら命を絶った次の年から、一度として。
家に帰った時、玄関で俺を迎えてくれたのは将さんだった。
心配したという風な表情で、将さんはずぶぬれの俺にタオルを渡してくれた。
それから、それだけでは満足がいかなかったのか俺の髪をタオルで覆った。
ここに戻ってからずっと、俺のことを待っていてくれたようだ。