しかし・・・

女王

構わない。
こうなったら国民の問題だ

こうなったらもう時間は
ありません。世界の問題にも
なりかねません

女王

焦らなくてもよい。
客人だ。道を通せ

貴方様は、
管理人ですか

これは話が速い
では単刀直入に言わせてもらう

話をさせてくれ

話ってまさか・・・

女王

やっぱり知っておったのか
管理人にはお見通しらしい

どこに監禁されているんです

女王

開かずの間じゃ

開かずの間!?

少し息を切らしながら、
隼は驚いた様子で目を見開いた。

開かずの間、とは?

女王

そのままだよ
開かない部屋に閉じ込められている

でもどうやって
中に入ったの?

その部屋は
いつから開きませんでした?

女王

五か月前。
ある日突然、な

何はともあれ
俺はご立腹なんだよ
いちいち仕事増やしやがって

どうせ昼寝してるだけじゃない

女王、とにかく
すぐに開かずの間に
案内してくれないか

女王

構わない。
でも時間の問題だぞ
万が一間に合わなかったら

間に合わねえことはねえよ
物語の世界が崩れたら
俺の責任だからなあ

女王

もしお前の望み通りになったら
報酬を弾もう

それはより一層
頑張らなくちゃなあ

女王

これなら使ってくれて構わない

俺は思わず言葉を失った。

精霊が宿る手を操れる者は女王だけではない。
狸にも俺にも精霊が宿らせることが可能である。

しかし、女王から出てくるように
女王のその手は「本体」なのだ。

流石。
使わせていただきます

女王

そいつがいる限り
ダメージを食らうことも
少なくなる。

表現の仕方が難しいが・・・。

俺らはある程度修行をして操れるようになった
だから精霊を呼び出す際、
魔法陣がどうしても発生してしまう。

しかし女王の場合、元々手から宿る。
だから、魔法陣は発生しずに
手から湧き出るように現れるのだ。

では案内お願いします

女王

良い。案内しろ

はい。ではこちらへ

女王

気を付けろ
舐めていると死ぬぞ

ご忠告は有り難いが同じ失態を
繰り返したりはしないさ

女王

それもそうだな。
鍵は其方の持っている物で
何とかなりそうだな

お気付きでしたか。

女王

普通ならば鍵の在処を聞くだろう
鍵も持たず、開かずの間に向かうなんて
馬鹿な真似はしないだろう

そうですね。
その開かなくなったわけも
探してみますよ

女王

大体は見当がついているのだろう
ほら、早く行け

失礼。

俺は後に続き、開かずの間に向かう。

ドキドキするねえ

大丈夫だ。
すぐ終わるさ。

では、健闘を祈ります。

では。

神からお貸ししていただいたものを
ドアの鍵穴に差し込んだ。

そんないきなり!?

pagetop