お前、管理人とかいうやつだろ

先程とは違う雰囲気の音がよく響く路地裏だ。

奥は真っ暗で人がいるのかも確認できない。
蜘蛛の巣が長く垂れ下がり、手に絡まった。

存じ上げておられましたか。

ああ、有名だ。
時に人のように優しく
人のように残酷だとな

そんな噂が。

実際に嘘でもないだろう。
人も我らも同じ動物だからな

私は妻を亡くしております。
射殺でした。

・・・猟師によるものか

はい。でも亡き妻のお陰で
今があると思っています

だから、すぐに
我が猟師と分かったのか

それもありますが・・・
手の豆の位置ですかね

成程。
其方が管理人というのも
納得できるな。

ご理解いただけて何よりです

それで本当の目的は何だ

そうでしたね。


・・・ここで最近、
事件などは起きていませんか

事件?

・・・大きい事件なら

是非お聞かせ願いたい

ある組織が
ここに滞在しているらしい。

・・・どうやら何処かの姫を
ある場所に監禁しているらしい

そうですか

場所について何か
知っていることがあれば
教えていただきたい。

じゃあ、俺の質問に
答えられたらな。

質問とは
面白いですね

俺は猟師という
仕事をしているが、人ではない
それは知っているだろう?

ええ、そうですね

じゃあ、俺の正体は
何だと思う?

あまりにも突飛な質問だった。

そうですね。
あなた、精霊では
ないですか?

やはり管理人だな。
それを忘れない方がいい。

じゃあ、俺は仕事に向かう

その言葉が示す意味、未来とは・・・?

猟師から紙を受け取り、
猟師は路地裏から去っていった。

これは・・・成程

あ、狐さん。
五分以上経ってるよ?

すまん。
待たせてしまって

それより何か
分かったのか?

ああ、行ってみないと
分からないがな

場所はどこなの?

場所は、女王の城だよ

城!?

どうやら、国内全体の
大きな問題らしいな。

けど、信頼を失わないように
内密にしているらしいな。

でもさっきの猟師さんが
知っているってことは
徐々に情報が洩れてるって
ことだよね?

ああ、そうだな。

広まるのも時間の問題だ。
もし信頼を失い、
国民が王に従わなくなったら
この国は崩壊する。

じゃあ・・・
早くしないと!

私に任せて。

頼んだぞ、
・・・隼(はやぶさ)

そっか、お姉さん
隼だもんね!!

ほら、早く乗って!

私たち三匹と精霊を連れ、
ある組織から姫を救うため立ち上がった。

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