いつも見る夢を見た。
夢の中のわたしは、赤い肌をした鬼で、戴輝であったはずのものを喰らっている。
それは、わたしの願望だった。
幼い頃より、わたし達にはひどい噂が付きまとっていた。
好奇心の入り混じった、でたらめばかりの馬鹿げた噂たち。
わたし達は双子だ。
古くから、双子は不吉だと言われていた。
大陸では、双子同士で国の利権を争い、とある大国が一年にして焼け野原になったのだという。
それ以来、双子は忌み嫌われ、双子であることを隠すために片割れを捨てたり、殺したりするところもあると聞く。
それをおもしろがってか、あれこれ言う者もいた。
中には、わたしが鬼で、戴輝の命を糧に生きていて、それで戴輝が病弱なのだという者も。
わたしは時折思う。本当にそうだったらいいのに、と。
そうしたら、わたしが死にさえすれば戴輝は助かる。
――だが、実際はそうはいかない。
わたしは戴輝を守るために生き続けなければならないし、戴輝の病は一生治らない。