~商店街にて~
~商店街にて~
さーて暇つぶしにいつもの魚屋の働きっぷりを観察しようじゃないの
鯖缶の神様だからな
恋だけじゃなく視察も重要なはずだ
「本来の目的を忘れた本来の目的の食べられるということをされない鯖缶の光景である」
どれどれっと・・・
らっしゃーい
魚を食べると頭が良くなりますよー
ひとつ頂こうかしら
へい、まいどありー
お姉さんにはおまけもつけとくぜー
やだもうお姉さんなんて
もう一匹買うわね
まいどありー
おっ商売うまいなあ
どう見てもババアなんだよなあ
何か分からないけど急に気が変わったからやめとくわ
えぇ・・・
そうかい、また来てなー
ありがとうねー
おっちゃん、すまねえ!
へい、見てった見てった!
ピチピチの新鮮な魚揃ってるよー!
ママー
どうしたの?
あのお兄さんピチピチとか言ってるけど
お魚さん、死んじゃってるんだよね
・・・
・・・
コラッ
あのね・・・それはね・・・
そ、そういうものなのよ
ほらっいくわよっ
はーい
・・・
あ、なんかエラが苦しい
見てて辛いわこれ、帰ろう
・・・
物陰に隠れて見ていたがとんでもない物を見てしまったな
へへ、これは使えるかも
数時間後
~コンビニにて~
いらっしゃいま・・・
気のせいか
へえー鯖缶って意外と安いんだな
安いもので100円前後
高いもので500円前後か
勉強になるなー
俺はもちろん高級品だけどな
「税込100円以下である。」
いらっしゃいま・・・
おい、金を詰めろ
ひえっ は、はい!
さっきのおっちゃん!?
どういうことだ!?
何があった!?
まるで意味がわからないぞ!?
~数時間前~
さて・・・この店員については調査済みだ
われはこの位置についているだけでいいじゃろう
よっこらせっと
はあ・・・
最近良い事ねえよ・・・本当に・・・
あの子ともうまくいかないし
どうすればいいかな、女将さん
なにへこんでんのよ
男ならタラタラしてないで
シャケッっとケジメを付けなさい!
そう言われてもなあ・・・
とりあえず店番戻りますね・・・
らっしゃいま・・・
あ・・・
何故こんなところに白子の缶詰が・・・
・・・
そうか、そういうことか
どいつもこいつも俺をコケにしやがって!
クソッもう許せねえ!
チッ 早くしろ!
は、はい
今やっています
どういうことなんだ・・・
クソッこれ以上客がくると・・・
・・・
あ・・・
あなた、何してるの!
お前っ!どうしてここにっ!
私の大好きな鯖がちょくちょく落ちてたからそれをたどってきたのよ
自分がなにをしているか分かってるの!?
ち、違うんだ・・・これは・・・
みんな・・・
みんな俺を笑いものにするんだよ!
どういうこと・・・?
店に嫌がらせで白子が置いてあって・・・
俺らが子供を授かりずらいことを知ってるかのように・・・
ああ・・・そういうことか・・・
このおっちゃんも今まで苦労したんだな・・・
待てよ・・・白子・・・?
クソッあいつか!
だから・・・だから俺は・・・
・・・
そうね、確かにそれは許せないわ
だけど
貴方がいまやってることはもっと許せないわ!
・・・
でもね・・・
もう悩まなくていいのよ
どういう意味だ・・・?
・・・
まさかっお前っ!
ええ
本当・・・なのか?
本当よ
・・・
・・・
・・・
一度、罪を償ってくるよ
すまない、俺のいい加減な思いでこんなことに・・・
いいえ、戻ってきたらまた話しましょう
本当に俺でもいいのか・・・
ええ、もちろんよ
クソッ後悔してもしらんぞ
・・・
ありがとうな・・・
鯖の神様・・・
一体なんだったんだ・・・
あれ、なんか分からんが終わったのか
白子への仕返しをどうしようか考えてたら何も聞いてなかったぜ
まあ強盗なんて日常茶飯事だし
元から俺には関係ねーや
俺も帰ろっと
・・・
チッ兄じゃめ
次こそは・・・
第四話へ続く・・・