私は眠井朝華、中学二年生。
好きなことは眠ること。
苦手なことは人と話す事。
趣味、眠ること・夢の中で一暴れする事。

あ、最後のは一文は忘れてくださいおねがいします。

たまにこう思う事がある、実は夢の中が実は現実。
そして現実は実は夢、でも実際はそんなもんじゃ無い

現実は非情である。

この一言に尽きる。
しかし、夢というものはとても奇妙で不思議な物だ。
現実ではあり得ない非現実すぎることが実際に起こってしまうのだから。

嗚呼、今日もまたあの憎たらしい程に明るい太陽(アンチクショウ)がやって来た・・・
仕方が無い、起きるか。

朝華

・・・

朝華

めっちゃしんどい。

天気がいい朝に限って、私の心は憂鬱だ。
そして、曇りの日も雨の日も、朝は苦手だ・・・
だれだよ、希望の朝なんか言った奴は・・・
私にとっては憂鬱の朝である。

朝華

朝食OK、歯磨きOK、UVクリーム塗った。
さて、行くか・・・
正直キツいけど。

UVクリームは私にとってはお守り。
これが無いと私の朝は始まらない。
私の体はUVクリームで出来ている、多分。
これだから私は根暗なんです、恐らく。

朝華

いってきまーす

ドアを開ければ、私の一日が始まる。
思えば今日は金曜日だっけ。
今日頑張れば、明日は休みだ。
あ、やっぱり希望の朝かもしれない。

しかし思えば今日は珍しく遅刻しなかった。
おめでとう私。
それはさておき、今日もまた保健室に直行する予定だ。
そう、まさしくいつも道理だ。

朝華

お、人少ない。
ラッキー。

恐らく、今の心境を顔文字で表すならこれだ。

( ͡° ͜ʖ ͡°)

そりゃあもう得意気ですよえぇ。
人が少ない=教室がら空き、というレアな体験が楽しめる、またとない機会ですから。

ただし私はこの後保健室で爆睡する為無駄ですけどね。

生憎、保健室に先生はいなかった。
私はその事に悔みつつ、眠ることにした。

朝華

さて、寝るか

小日向

お邪魔しまs・・・
あっ

朝華

人来た。
マズイ、どうしよう
まず、何と話すべきか・・・
いや、ここは勢いよく・・・

朝華

あっぁぁああぁっぁあのっぉっぉお、ここおここおこおこここんかいはててってててんきがいいいぢえdcんrっぎtkbty!!!!!!!!!

小日向

どもった。
最後メッチャ噛んでる。
もはやただのヤバい人だ。

派手にどもった、しかもド派手に噛んだ。
もう最後の方なんて言っているのか自分でもまったく分かんない。
ただ、言いたいことはわかる。
「今回はお日柄もよくていいですよね」
こう言おうとしたのだ。
正直、意味不明である。

小日向

あの、もしかして貴方・・・

朝華

は、はい・・・

小日向

眠井朝華さん・・・ですか?

朝華

え?えぇ、そ、そうですよ!はい!

小日向

よかった!
実はあなたに悪夢を退治してほしかったんです!

朝華

ほほぅ・・・

朝華

えっ…!?

何故に、一体どういうことなのか。
そ、相談とかじゃなくて悪夢狩りですか!?
確かに私は他人の夢の中に介入して悪夢を退治することが出来るけど・・・
一体どういう風の吹き回しで・・・

小日向

いや、佐藤さんから聞きましたよ。
「眠井さんは悪夢バスター眠井朝華だ!」って

朝華

はぁ!?
え・・・えっ!?!?!?

だからどういう風の吹き回しだ
そしてその名前は何だ。

悪夢バスターってなんだよ。
どこぞの悪魔バスターかよ・・・
シュガーゴッド佐藤よ・・・もうちょっとマシなネーミングは無かったのか・・・
それに私の噂そんなに広まってるのかよ!

朝華

・・・さ…さて、じゃあ、まずはあなたの名前を・・・

小日向

小日向、小日向マヤです

小日向マヤ、確か小説部の部長だったはず。
小説部というのはその名の通り、小説を読んだり、書いたりしている部活動である。
前に出会ったあのシュガーゴッドこと佐藤もこの部員である。
以前、彼の悪夢を退治したせいか、小説部では私の話題で持ち切りとの事・・・らしい。
噂って、恐ろしい。
それにしてもマヤ、か。
聞いていた通り、美人である。

朝華

で、マヤさんは今回、どんな用件で・・・

小日向

実は私、恐眠症なんです・・・

恐眠症、あまり聞いたことが無い症状だ。
多分あれだろう、寝るのが怖いとか。

小日向

私、眠ると必ず悪夢を見るんですよ・・・
なんか化け物に襲われたりとか・・・

朝華

な、なるほど。
それで私にSOSをしてきた訳ね。

小日向

はい!
そういう事です!
で、してくれるんですよね?

朝華

え?あぁ・・・まぁ・・・うん。

悪夢バスターと言われたならやるしかないよね・・・
うん、そうだ、学園一のマドンナを脅かす悪夢め!
待っていろよ!…と言っておく。

つづく!

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