風香

というわけで!

エトーシスな乙女たち ようこそ哲学の道へ!連載再開だ!

風香

本当に久しぶりの更新ですみません!

……ブラックバイトは辞められたものの、相変わらず作者の夏鎖が忙しい……

人生なんてそんなものです

(誰か夏鎖を助けてください)

やめてやれ……書いていて作者がつらくなる

風香

作者一同、哲学部のみんなで頑張るのでよろしくお願いします!

それじゃ本日のお題を発表……といきたいところだが、前回話した流れは覚えているか?

風香

忘れてはいないかだけど……一応確認しておこうか?
秋ちゃんよろしく!

また丸投げかよ!
夏!

……冬……

春先輩、お願いします

(前回と同じ流れだから……わかる?)

風香

結局私がやるのね……

風香

流れとしては

・問題を聞く
・それについて意見を述べ、自分の立場を表明
・ディスカッション、互いの意見を戦わせてよりよい答えを探す
・結論をだす

って感じだよ

……哲学としては一つの答えを出すというのはある意味間違っているけど、どこかに着地しなければ作品として成立しないのでご容赦ください。

それじゃ始めるか。今回も哲学の世界にどっぷりつかって、一緒に思考してくれ

風香

それじゃ本日のテーマを紹介ね

本日のテーマを紹介!
今回のテーマは……正義!

風香

というわけで今回は正義についてお話しするよ!
問題を読み上げるからよく聞いてね

風香

ある電車が一本道を走っていました。あなたはその電車を運転しています。
そんなとき、目の前に切り替えポイントが現れます。ポイントから先で線路は二つに分かれています。一つは一人の作業員が、もう一つには五人の作業員がいます。電車は猛スピードでポイントに近づいていますが、たった今電車の存在に気付いた作業員たちは逃げても間に合いそうにありません。このまま電車が走ると五人の作業員を轢いてしまいます。
しかし、こんなときに電車のブレーキは故障して停車できません。
あなたが操作できるのはどちらの線路に行くか決めるポイントのスイッチだけです。
あなたはスイッチを押して一人を轢く線路に電車を走らせますか? それともスイッチを押さずに五人の作業員を轢く線路に電車を走らせますか?

風香

さて、みんなはどっちの線路を選ぶかな?

どっちにいっても作業員を轢くんだよな……

……難しい……

でも多くの人を救えるなら……

(思考……思考……)

風香

……それじゃ時間も経ったしみんなの意見を聞いていこうか。それじゃ春夏秋冬の順番で意見を言っていってね。

(一人のほうにいく。そうすれば五人の作業員を救える)

……一人……かな?

あたしは五人の作業員の線路だ

私も秋先輩と同じで五人の作業員のほうです

風香

意見が出そろったね。
一人の作業員がいる線路にいくが二人、五人の作業員がいる線路にいくが二人。ちょうど
半々だね。それじゃ、ディスカッションスタート

……二人ともどうして五人の作業員を轢きたがるの? より多くの人が助かる一人の作業員しかいない線路のほうが、多くの命を救える

(一人の命より五人の作業員の命)

春先輩、夏先輩、大切なこと忘れてますよ。一人の作業員しかいない線路に行くにはポイントを切り替えるスイッチを押す必要があるんですよ?

要するに人を殺した責任が発生する

……人を殺した責任?

そうです。私たちはブレーキの効かない暴走電車の運転手なんですよ。でも、ブレーキが効かなくなった原因は私たちにはありません

五人の作業員か一人の作業員を轢かなくてはいけない。その立場にいることは間違いねーけど、そうなった責任はないってことだ

たとえ五人の作業員を轢くことになっても私たちはこういえばいいんです
「整備士の整備不良でブレーキが効かずに作業員五人が亡くなることになりました」

……それは違う。確かに私たちは人の命をどうするか選択する立場に立つことになったけど、より多くの作業員を殺していい理由にはならない

(コクコク)

そうか? むしろ殺人の責任を負ってまで五人を救う意味もよくわかんねーけどな?

……たしかに秋のいう通りかもしれない。でも、五人の命と一人の命だったら考えるまでもなく五人の命。

そんなことないです。確かに五人の命が大事ですけど、そうすればわたしたちは五人の命のために一人の命を犠牲にした殺人犯になっちゃうんですよ?

風香

さて、ここで一回論点を整理しようかな?
問題となっているのは殺人の責任を負って五人を救うのか、自分は何も悪くない。暴走した電車が勝手に作業員を轢いただけ。っていう責任の問題だね。

(誰に責任があるか考える?)

風香

それもいいけど、責任と命の関係をしっかり考えたほうがいいんじゃないかな?

五人の作業員を救うと責任はあたしたちに、一人の作業員を救えば責任は整備士とかブレーキの故障原因を作った誰かになるってことだな

風香

そうそう! 作業員の命と責任の所在。その関係の観点からもう一度考えてみよう!

……やっぱりどんな責任を負ってもいいから五人の作業員を助けるべきだと思う。たとえ私が罪に問われても、五人の作業員を助けられた事実のほうが一人の作業員を轢いた責任より勝る

(五人の命を救ったことと一人の殺人の責任、一人の命を救ったことと自分以外の誰かが負う五人の殺人の責任)

言うのは簡単だけど、実際のことを考えると難しいかもな

……そうだよ……私たちは人間なんだから、いざこの状況が目の前にあったら責任のありかなんて判断できるわけがない

(仮に責任の判断が正常にできたとしても、五人を見捨てて一人を救うことが正義だとは思わない)

なるほどな……正義か……

私はこの場合は自分が巻き込まれた側ですから正義の所在は自分にあるとは思えませんけど

……正義の所在か……

風香

それじゃ、そろそろ結論を出そうか?
みんな結局どっちの線路に行くか決めた?

あたしは決めたぞ

……決めた……

(コクコク)

決めました

風香

それじゃ、さっきとは逆の順番で結論を言ってもらおうかな? 冬ちゃんからどうぞ

私はやっぱり五人を轢く線路に電車を進めると思います。というか、何もしません。現状に任せます

あたしは消極的に五人の作業員を轢く線路だな。現実にこんなことが起こったら、やっぱり一人の作業員を轢くかもしれない

……一人の作業員を轢く線路。やっぱり、五人の命は一人の命に代えられない

(一人の作業委員を轢く線路。これしかない)

風香

結論が出そろったね。今回は五人の作業員がいる線路に電車を進ませるが二人、一人の作業員がいる線路に電車を進ませるが二人だね。同票だけど、秋が消極的なって言っているから結論としては五人を助けるほうがやや優勢かな?

まぁ、本当にどっちが正しいなんてないのがこの問題だしな……

(正義は一体どこにあるんだろう?)

風香

それじゃ、今日の部活はこれでおしまいね!

相変わらず作者の夏鎖が忙しいですが、二月中にはもう一度更新すると思うので、また哲学部に顔出してください

夏鎖は忙しい、忙しい人は過労死、ゆえに夏鎖は過労死する

縁起でもないこと言うな!

風香

それではまたお会いしましょう!

(作者が生きていればね)

2章 多いほうが大事ですか?

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