翌日の夜。
私は、いつきと小夜といた。
晩ご飯を食べて、シャワーを浴びた。
そして、3人でベッドに潜りこんだのだ。
翌日の夜。
私は、いつきと小夜といた。
晩ご飯を食べて、シャワーを浴びた。
そして、3人でベッドに潜りこんだのだ。
ねえねえ、それからどうなったの?
ん? ヤマイダレさんと?
そうそう
あー
私は天井を見ながら、ため息をついた。
いつきと小夜は、そんな私の顔を左右から覗きこんだ。
興味津々って顔だった。
ねえ、チョコ棒をにぎにぎしてそれで終わり?
うーん、それがさあ
なになに?
そこまでは、まだ好かったんだけどね
うん
稲荷寿司(おいなりさん)だよ、稲荷寿司(おいなりさん)がひどいんだよ
んー、どうしたの?
というか、どう使ったの?
ふたりとも声に笑いが混じっている。
ヤマイダレさんがさ、私の股間に稲荷寿司(おいなりさん)を置いたの
あー、ベタだなあ
期待を裏切らないなあ
笑い事じゃないよ
あはは
ごめんごめん
でね、ブルマの上に、ちょこんと稲荷寿司(おいなりさん)を置いたんだけどね。それがなんだかひんやりしているし、チョコ棒よりも下にあるから、ヤマイダレさんの指が太ももにちらちら当たるしもう、なんかくすぐったかったの
ヤマイダレさんの指が触れたの?
太ももにね
でも、太ももっていっても、結構きわどい位置じゃない?
いつきはそう言って、私の太ももの付け根をさわった。
ちょっと止めてよっ
あはは、エロい声だ
智子、敏感すぎるよお
ヤマイダレさんにさわられたからあ?
感じやすくなっちゃったの?
もう
私は、ぷっくらとほっぺたをふくらませた。
いつきと小夜は、ちょこんと可愛らしく舌を出した。
そして、私の身体を両わきから、ひょいひょいとさわりはじめた。
もう止めてよっ
智子がオトナになっちゃった
ズルいなあ
なってないよう
それに、もし、なっていたとしても。
ヤマイダレさんにオトナにされるとか、夢がなさすぎる。
いや、女性にオトナにされるとか、本当にそんなことできるのかとか、いろいろと疑問はわきあがってくるのだけれども。……。
で、稲荷寿司(おいなりさん)をサワサワされただけ?
ううん、それがさあ
なになに?
はじめのうちは好かったんだよ。うっとりとした瞳で私の顔を見ながら、エロいことをささやきながら、にぎにぎしていたときはね
どんなことをささやくの?
『男の人の稲荷寿司(おいなりさん)って、このくらいのサイズかなあ?』とか
あはは、なにそれえ
『ねえ、この位置で良いの?』とか
えへへ、モノマネ上手だねえ
別にマネしてないよお
じゃあ、似てきたんだ
もう止めてよ
ごめんごめん
でね。そのうち息が荒くなって、ものすごく興奮してきたんだよ
うんうん
で、どうしたと思う?
どうしたの?
布団に潜りこんだの
え?
潜りこんでさ、稲荷寿司(おいなりさん)をぺろぺろ舐めはじめたの
うそっ
私の足にまたがって、太ももの間にあごをのせて
ほんとにぃ!?
なんか髪とか太ももにさわるし、ほんと勘弁してって感じだよ
私は、ため息をつくようにそう言った。
言った後で、笑いがこみあげてきた。
ヤマイダレさんはエロいけど、それと同じくらいアホだと思う。
心からそう思う。
もう、発想が小学生の男の子なんだよお
えへへ
なんかそれっぽいよね
絶対そう。クラスの男子と変わんないよ
あはは。それでどうしたの?
怒ったの?
もう、怒るとかそういうの全部通り越しちゃったよ。ただただ、あきれちゃって、しばらく好きにさせてたよ
なすがまま?
されるがまま?
別にっ、私が舐められてるわけじゃないし
ふうん?
まあ、股間に食べ物を置いて遊ぶのは、さすがにどうかと思ったけど
そんなこと言ってえ。さっき、髪がさわるとか言ってたじゃん
気持ちよかったんじゃないの?
うーん
ねえ?
ねえねえ
ふたりは私を両側から圧迫した。
私はヤマイダレさんの感触をふと思い出した。
ヤマイダレさんってさ、なんか柔らかいんだよ。ふたりよりも妙な柔らかさがあって
なにそれえ
しかも、いい匂いするし、肌ざわりもいいし、意外と体重軽いし
だから好きって話ぃ?
違うよお。いろいろとさわり心地いいからさあ、気をつけないと抱き枕感覚で抱きしめちゃうんだよお
私は困り顔でそう言った。
すると、ふたりは思いっきりスケベな笑みをした。
違うよ、誤解だよお
ふうん?
で、そのあとは?
ふたりは、甘えるようにくちびるを寄せてきた。
思いっきり顔が近づいた。
私は、ぎこちない笑みでうなずいた。
そして言った。
ヤマイダレさんが、稲荷寿司(おいなりさん)を口にふくんだの。それで口のなかでもてあそびながらね、言ったの
うん
『本物も甘いのかなあ』って
やだっ
アホか! って、思わず引っぱたいちゃったよ
うそっ!?
叩いた後で謝ったけどね
ヤマイダレさん怒った?
ううん、別に怒らなかったよ。いつもの笑顔でゆるしてくれた
うーん、さすがに器の大きい痴女だなあ
えへへ。それって褒めてるの?
私たちは、布団に潜りこんだ。
そうやってクスクス笑った。
ていうか、せまくない?
3人だと、さすがにせまいよねえ
密着しないと寝れないよお
真ん中の人が両脇のふたりに腕枕をするような、そんなハーレム状態じゃないと無理そうだ。
ひとりは上に行く?
じゃんけんしよっか?
うん
じゃん・けん・ぽんっ!
じゃあ、私が上に行くね
あっ、もう行くの?
そろそろ消灯時間だし
そっか
いつきは笑顔で手をふった。
それからジムに行った。
私と小夜は、それを見送った。
※
しばらくすると灯りが消えた。
私と小夜は眠ることにした。
天井をぼんやり見ていると、小夜が言った。
ねえ、智子ぉ?
うん?
智子って好きな人いるぅ?
うーん、いないかなあ
私はいるよ?
誰ぇ?
宇野くん
あー
あの →
女体化した宇野くん →
私たち学校で痴女に襲われたじゃん。それで男子に押されたよね?
うん
あのとき、宇野くんが助けてくれて、まあ、痴女になっちゃったけど、それでもなんかグッときちゃって
そうなんだ
今さら、どうしようもないんだけどね。それに今は他に気になってる人いるし
誰ぇ?
ヤマイダレさん
あ"!?
私は、つい、はしたない声をあげてしまった。
あわてて口をふさぐと、小夜はクスリと笑った。
ヤマイダレさんってさあ、痴女よりも痴女っぽいじゃん?
えっ、うん
なんか憧れるんだよねえ
そうなんだあ
私は、ぼんやりと相づちを打った。
すると小夜は夢見るような顔でこう言った。
痴女はさ、誰にも邪魔されず自由で、なんというか救われてて、うらやましいなって……。ひとりで、みだらで、満たされててさあ