ガチャリとドアが閉まると
優君は更に距離を縮めた。
お帰りなさいませ
ここは・・・?
僕の家です
では失礼いたします。
ガチャリとドアが閉まると
優君は更に距離を縮めた。
なんで、家なんかに?
家って言ったら
警戒して来ないだろうなって
思ってさ
下心丸見え・・・
やっぱり杏子さんは
男慣れしてるのかな?
ちょっと・・・!!
照れてるのはなんで?
・・・ねえ、杏子さん
な、なんですか・・・
付き合ってほしいんです。
は?
警戒心の欠片もなくて
びっくりです。女っぽくないし
・・・それに何より
年上が嫌いなんですよ
じゃあ、なんで
私に告白するの?
あなたなら
受け入れられるからです
は・・・?
それに、結城には夏子がいる
下手な真似は
しない方がいいですよ。
夏子。
私が気になっていた人物で、
きっと赤髪男にとって大切な存在。
夏子のこと知りたいですよね?
教えてくれるの?
なら、僕の言うことに
従ってほしいんです。
結城のところを辞めて
俺のメイドとして働いてください
は?それはちょっと・・・
ここに住んでいただいて
構いません。全て、こちらが
お金を出します。
でも、私には・・・
そして、優君は私の目を見てこう言った。
それは私でも分からない謎めいた事。
知っているようで考えてなかったこと。
貴方は結城の何ですか?
新しく提供された職場が
できた今、あの場所に
留まる意義は何ですか?
ええっと・・・
私は・・・。
悔しかった。
淡々と投げかけられる言葉に
返答すらいえない。
年下になめられているような感覚
そんな訳ないじゃないですか
ねえ?社長?
君の責任じゃないのか
違うんです・・・
違うのに。
私は・・・いじめられてるの。
なんでみんな気にしないの?
年下だからって舐めないでよ?
せーんぱい?
もうやめてください!!
そう自分を失いかけていた時に
救いの手がかかった。
彼の名は・・・