今日も、眠井朝華(ねむい あさか)は保健室登校。
先生への挨拶をすまして、ベットに向かう。

時を同じくして、一人の青年が保健室に向かう。

人が近づく気配を感じた眠井朝華は、慌ててカーテンを閉めて、自分の心が乱されるのを阻止した。
眠井朝華は、いまだに他人との接点に恐怖を感じていたのであった。

青年

失礼します。
先生は、居ますか?

先生

どう見ても、中学生には見えませんが、
どちら様でしょうか?

眠井朝華

大人の男性なんて・・・。

青年

パソコンの修理に来たのですが、
連日の勤務で眩暈(めまい)が・・・。

空いているベットで、
仮眠させてもらえないでしょうか?

あっ安心して下さい、
校長先生には許可を戴いています。

先生

それなら、ご自由にお使い下さい。
但し、急患が来たら起きてもらいますからね!

青年

もちろん、どきます。
では、すみません。

眠井朝華

大人って、勝手ね!
それも、私の隣なんて・・・。
考えるだけでも、恥ずかしいわ。

連日の勤務が相当堪えたのか、青年はベットに横たわった瞬間、イビキをかいた。

眠井朝華

私も早く眠る事が出来るけど、
こんなに早くは寝られない。

また、上位種と出会ってしまった。

眠井朝華

ん!?
何か言ってる!

青年

また、バグだ!
くっそ~、
なんで今日に限ってこうなんだ!
ここをこうして、ポチっと。

また、エラーじゃないか!!

眠井朝華は、青年の魘(うな)されかたから、
相当の悪夢だろうと確信する。

眠井朝華の悪癖とでも言うべきか、
大人の男性の悪夢が気になって仕方ないようだ。

眠井朝華

大人の男性の悪夢って、魅力的ね!
こんな生活を繰り返せば、
己を滅ぼす事は分かってるけど
無理だわ、止められない。

眠井朝華は、相手に意識をフォーカスして、
目を閉じて眠る事で相手の夢を観る事が出来る。

眠井朝華

おやすみなさい。

「突然の来訪者」

次回「青年が観る悪夢」に続く

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