楽しみだな~

そうね。ね?ひなりは特に…じゃない?

本当…あいつと一番仲良くしてたのに、一番損しちゃった

将来一番美味しい思いしようって欲張るからだよ

みんな考えは一緒でしょ?

徳って言われたからさー

そういえばさ?一緒にお風呂は入った時に体…触ってきたんでしょ?

え!?マジ!?

…本当。ひいたしマジで気持ち悪かった

そういう人って本当にいたんだ…

キモ…

まぁ、いいじゃん。明日からもっと…その……楽しい事出来るんだからさ?

え?あ…そうか、そうだよね

だからさ。ひなりちゃんもさ…

クラスの友達の発言にひなりはゆっくり頷くと

…そうだよね

不気味に笑っていた



それは私が見たことのない笑顔だった

そして

私はひとりになった。

私の家は、実家は…とてもお金持ちで、ねだれば何でも買ってくれるような家でした

小さな時から、私が欲しいと一言伝えれば何でもすぐに手に入りました

なんでも手に入りました

そう…

なんでも…

それは友達も例外じゃなかった…

でも…そんなの嘘…全部……

ただ私の家がお金持ちで色々な人や物に対して権力があって…だから、みんなは私の家に逆らうのが怖かった。私に対してしていた事は私の為じゃない…『赤蘭』って家と仲良くしておけば得だから…『赤蘭』って苗字だけを見てただけ…誰も私の事なんて見てなかった

そう…

ひとりになるまでは…

そして



いじめがはじまった

朝から夕方まで

休み時間はおろか

授業中でも関係ない

あ、バカラがきた

………………………

ぷっっ・・・ははははっは!!!!

バカラって何?

え?あぁ?あいつ、この前さ~テストの時に答案用紙に書いた名前間違えたらしいからさ

あぁ…ん?っていうか、名前なんて普通は書かないじゃん

知らないの?あいつさ、あのあだ名をテストの時にも書いてたんだよ

え?名前ってそういう事?うわ、マジできつい…

そもそもうちらに名前の欄なんてないじゃん

やっぱ頭おかしいんじゃないの?

あぁ…またか……って私は思った

………ずっと無視の日なら、まだ楽

ある日、後ろからハサミを投げられた時もあった

私はさすがに怒った

でも、みんなは、そんな私を見てずっと笑ってた

次の日からは笑いながら次はもっと酷いことをしてきた…

それから

どらくらい経ったのだろう?

私は怒るのをやめていた

どうせ、あと一年の我慢だ

一年

そうだ

そうしたら

私はひとりになれる

もう、周りに、友達なんていらない

ひとりでいい

そう、いつしか

いつしか…

私はそんな事を考えていた

そして

忘れもしない

あの日を迎えた

そう





私は






あの日…

殺されるべきだったんだ…

第十九章 私の死にたかった過去③

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