お手伝いさん

おはようございます
今日は随分と早いんですね

橘杏子

呼ばれたんですよ

朝っぱらから電話をしてきた挙句には
早く来いだの急げだの機嫌が悪くなるのは当然だ

神谷優

こちらが・・・?

ドアの前にいたのは
見たことのない男の人だった

坂田結城

ああ、間違いねえよ

橘杏子

あ、あの・・・?

神谷優

黒髪だった気がするんですが

橘杏子

カツラなんですけど
何か?

坂田結城

なんでちょっと
キレてるんだよ

橘杏子

朝から電話されたら
迷惑なんですけど?

坂田結城

しょうがないだろ、
俺の召使いだからな

橘杏子

世話係です
間違えないでください。

神谷優

ふっ、仲良いんですね
結城はいつも女子と言ったら
夏子ぐらいしかつるみませんから

坂田結城

優、やめろ

___夏子。
その相手が誰なのか私にはまったく分からなかった
ほとんど毎日顔を合わせる癖に学校の話は
一度も聞いたことがないかもしれない。

橘杏子

仲がいい人が
ちゃんといるんですね

坂田結城

友達いないとでも
思ったか?

橘杏子

はい

神谷優

なかなかのもんだ

この男がただのむかつく男だけでは
ないということを後々知る羽目になる。

橘杏子

あの男うぜえ。

坂田結城

優、お前は
何をしに来たんだ

神谷優

やだなあ、
友達に会いに来たんですよ
でも、一つ謎が
解決しました

というと男は
珈琲を一口口に含むと帰っていった

橘杏子

何なんですか
あの男は・・・

坂田結城

気を付けろ

この言葉の意味も
後に深く思い知る運命になるのだ

橘杏子

へ?

神谷優

潰す価値がありそうだ

この男は只者ではなかった。
忠告の意味を少しでも理解していたら
こんなことにはならなかったかもしれないのに

神谷優

あー、ちょっといい?

優と呼ばれたそいつは
ある人物に電話を通してある依頼をしたのだった

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