その言葉が深く胸に刺さった。
彼の傷を抉るようなことをした。
本当にごめんなさい
他人に聞かれたくない事
くらい誰にだってある
その言葉が深く胸に刺さった。
彼の傷を抉るようなことをした。
・・・ごめん
こんな顔させるつもりじゃなかったのに。
謝らなくちゃいけないのは私の方だ。
早く準備しろよ
いつか必ず話します。
だから待ってもらえませんか
・・・待ってる
しょうがないからな。
急かしても意味なさそうだし
笑った・・・。
あ?でも、それまで
ちゃんと働いてもらわないとな
しょうがないですが
そういうことになりますね
へえ、いてくれるんだ?
しょうがないです
そっか。
照れてる・・・
うっせえ。
杏子様、準備を
お願い致します。
準備?
出かけるって言ったろ?
その格好で行く気か?
着ろっつったのは
お前だろ・・・
ではこちらへ
連れてこさせられたのは
可愛らしい女の人の好きそうなお部屋だ。
少し、気になるのは埃っぽいところだろうか。
ご察しの通り
ここは奥様のお部屋です。
ここでいつも
着替えさせていただいております
そうなんですか
渡されたのは私の好きな雰囲気の服だった。
お気に召しませんでしたか?
いや・・・
まさに好きな感じですよ
お手伝いさんだけあって
洞察力が人並みではない。
購入したのは
私ではございませんよ
そうなんですか
では早速
取り掛かります
え!ちょっと!?
なんで黒髪なんですか
金髪やめたいんじゃ
なかった?
なんで知ってるんですか
わざわざ、黒髪のウィッグ
被ってまで、週末
出かけるんだろ?
そう、私の唯一の楽しみが
黒髪のウィッグを被って高校生からの古い友人と
買い物をすることである。
だから、なんで・・・
あ・・・(察し)
すみません
金髪ウィッグ
やるから我慢しろ
しょうがないから
もらいます・・・
童顔・・・
あ?
着きましたよ
ペットショップですか?
犬飼おうと思って
可愛い・・・
ワン!
確かに。じゃあ、
この子にしようか
え、飼うんですか!?
気に入らなかった?
確かに可愛いですけど・・・
犬欲しかったからさ
気に入った子が
いてよかったよ
お金は私が出します
いいって
そういうわけには
いきません!!
頑固・・・
あ?
大人しく俺の言うこと
聞いてればいいんだよ
それとこれは
違う気がしますけど
よろしくお願いします。
素直でよろしい
大人を
舐めないでください
早く行きますよ
なんだかんだでお世話になっているのは
私の方かもしれない。
でも・・・こんな日々も悪くない。
なんか押されて
ばっかりじゃん・・・
どうしたの?
なんにもありません
年下にこんなに気を遣われて
空気に流されているなんてなんか不思議な気持ちだ
あれは・・・
結城と、女?