最近、主人公たちが異世界に行ってしまうような小説が流行っているみたいだけれど、
もし自分が異世界に行くことになっちゃったらどうなんだろう。
たくさん冒険したり、いろんな知らない動物見たり、魔法なんか使えちゃったり、果てはドラゴンに乗ったりなんかしちゃったりして。
楽しそうだよね。
君はかなり幻想的でビデオゲームのような異世界を想像しているのか。まぁ、最近異世界と言えばそういうモノなのだろうな。
私は赤い紙青い紙黄色い紙という怪談を思い出してしまう。
トイレで閉じ込められて、どれがいいかと問う不思議な声が聞こえるんだ。
赤い紙と答えると血まみれに、青い紙と答えると全身の血を抜かれ、黄色い紙と答えると異世界に飛ばされる…そんなような話だった気がする。
わーーーーー!!
怖い話はしちゃダメだって言ってるでしょ!!
あとはフィラデルフィア実験という都市伝説があってだな……
ダメ!!
それ以上話しちゃダメ絶対!!
ははっ。
子供向けの話にそれほど怯えることもないだろう。
まぁ、その話は置いておいたとしてもだ、
いや、異世界の人達だって毎日苦労していると思うぞ。人がいる以上、そこは人が作った社会であり、身体的苦労だけでなく気苦労もこの世界と同じくらい多いだろう。
なんだ、この世界と同じくらいの気苦労なら楽しいじゃないか。
……君は強いのか馬鹿なのかそろそろハッキリしたいきもする。
だがまぁ、どちらにしろ確かに君なら幸せに生きていけそうだな。
そういう君は異世界に行ってこういうことしたいっていうのはないの?
ないな。
私はやりたいことはこの世界ですでに十分にやっている。
向こうに行ったところですることは変わらないさ。
毎日ピアノを弾いてるだろうな。
えー、でも向こうの世界にはピアノないかもよ?
なければ作ればいい。
作るのも楽しそうだしいいんじゃないか?
自作のマイピアノ。
なんだか誇らしいじゃないか。
君も異世界に行っても幸せに暮らしそうだよね。
あとはいつも通りいつもの様に
僕と楽しくおしゃべりすれば満足だと。
…………君いくらなんでも、
私のセリフを取るのは許さんぞ。
盗んでいいのは私の心だけだ。