はっ!
とテーブルから顔を上げて
アタシは目を覚ました。
いつの間にかうたた寝していたみたい。
こんな時間……。
寝てる場合じゃない!
おねぇちゃん!!
もぐもぐ。
呼んだ?
……。
おねぇちゃんは
仕事を一段落して
アタシの前で晩ご飯を食べていた。
アンタがあまりに
気持ちよさそうに寝てたから
先に食べ始めちゃった。
ゴメンね。
うー……。
アタシはさっきまでの夢が
現実と違っていて
張り詰めた緊張の糸が
急に緩んだ。
おねぇちゃぁぁん!
おっとっと。
アタシは無我夢中で
おねえちゃんに抱きついていた。
どうしたのさ、急に。
おねぇちゃん!
おねぇちゃん!!
……リツ……。
よしよし。
リツがこんなに泣くなんて久し振りだね。
だって!
おねぇちゃんが!
おねぇちゃんが!!
夜ご飯
遅い晩ご飯の後
特に何かを話すわけでもなく
二人でしばらくテレビを見てから
寝ることになった。
おねぇちゃん、おやすみ……。
はいよ、おやすみ。
あ。
どうしたの?
おねぇちゃん、
なんか困ったことあったら
アタシに言ってね。
困ったこと……?
出会いがないこと……とか?
その手の相談、
アタシには無理だけどさ!
でも、1人で抱え込まないでね…。
はいはい、そうさせてもらうよ。
おやすみ。
おやすみ!
やっぱり、ただの夢だったのかな……。
リツもいい子に育ったねぇ。
……。
……ふふっ。
つづく