あたし

はっ!





とテーブルから顔を上げて




アタシは目を覚ました。




いつの間にかうたた寝していたみたい。



あたし

こんな時間……。

あたし

寝てる場合じゃない!
おねぇちゃん!!

おねえちゃん

もぐもぐ。

おねえちゃん

呼んだ?

あたし

……。




おねぇちゃんは




仕事を一段落して




アタシの前で晩ご飯を食べていた。



おねえちゃん

アンタがあまりに
気持ちよさそうに寝てたから
先に食べ始めちゃった。
ゴメンね。

あたし

うー……。





アタシはさっきまでの夢が




現実と違っていて




張り詰めた緊張の糸が




急に緩んだ。


あたし

おねぇちゃぁぁん!

おねえちゃん

おっとっと。




アタシは無我夢中で



おねえちゃんに抱きついていた。



おねえちゃん

どうしたのさ、急に。

あたし

おねぇちゃん!
おねぇちゃん!!

おねえちゃん

……リツ……。

おねえちゃん

よしよし。

おねえちゃん

リツがこんなに泣くなんて久し振りだね。

あたし

だって!
おねぇちゃんが!
おねぇちゃんが!!









夜ご飯





遅い晩ご飯の後




特に何かを話すわけでもなく




二人でしばらくテレビを見てから




寝ることになった。





あたし

おねぇちゃん、おやすみ……。

おねえちゃん

はいよ、おやすみ。

あたし

あ。

おねえちゃん

どうしたの?

あたし

おねぇちゃん、
なんか困ったことあったら
アタシに言ってね。

おねえちゃん

困ったこと……?
出会いがないこと……とか?

あたし

その手の相談、
アタシには無理だけどさ!

あたし

でも、1人で抱え込まないでね…。

おねえちゃん

はいはい、そうさせてもらうよ。
おやすみ。

あたし

おやすみ!

あたし

やっぱり、ただの夢だったのかな……。






おねえちゃん

リツもいい子に育ったねぇ。

おねえちゃん

……。

おねえちゃん

……ふふっ。























つづく



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