そんなこんなでフィリア達と一緒にレイトの部屋に向かう。
そんなこんなでフィリア達と一緒にレイトの部屋に向かう。
ふーん、男の子の部屋ってもっと荒れているのかと思ったけれど綺麗なものね
当たり前です。いつ、いかなる時可愛い彼女が僕の部屋を訪れるかわからないのですから!
それで、“例のもの”の隠し場所は?
……
なるほど、あそこのベッドの下ね
何でいきなり当ててくるんですか!
というか今、探査の魔法を使っていませんでしたよね!?
さて、私は今何をしたでしょう♪
歌うようにそんなことを言い出したフィリア。
だが俺としてもその力については知りたい気がする。
先ほどからまるでどうなるかを予測したように話が進んでいくのだ。
そして今のレイトの様子からその予測は多分正しい。
さらに“神殿”が欲しがるような特殊能力者でも有る。
ただ“魔女”というのはいろいろな魔法を使える者たちなので、ただ単にそうった魔法が使えるだけなのかもしれない。
けれど今ここで聞いておいても問題はないだろうと俺は思い、
それでフィリアは特殊な力を持っているみたいですが、どんな力なのですか?
さあ。
自分の力を教えないほうが色々出来ていいわよ?
……そうですか
フィリアは話す気きはないようだ。
そこで俺は紅茶のカップに手を出すとフィリアが、
それは遅効性の睡眠入りね
では解毒しておきますね。
ところでここにあるケーキも含めて、全部ですか?
ええ。
そっちのケーキには、糖蜜に混ぜて睡眠薬がはいっているわね
母さん……
レイトが呻くように呟いた。
それを見ながらとりあえず俺はそっと手をかざして、“力”を使う。
ユニコーンとしての力だ。
こういった解毒には効果がある。
そして光が収まってから、
これで無毒化出来たと思います
よし、では冷える前にいただきましょうか
フィリアのその言葉を合図にとりあえず僕たちは紅茶とケーキを楽しんだのだった。
それで次の目的地についてどうしよう、といった話になる。
俺はここにくれば何とかなると思っていたけれど、どうにもならなそうだな
そうだな。ユニに女の子の恋人が出来るか僕に恋人が出来れば何とかなるんだけれどな
結局辿り着く結論はそこなのだ。
だが逆に言えば彼女を作るだけで全てが解決してしまうのだ。
そこでフィリアが、変な顔をして、
下僕、貴方、何で下僕を選んだの?
それは三つの中で一番良さそうな物を選んだだけですが
あの三択なら確実にそれを選ぶと思うのだ。
そこで興味を持ったらしいレイトがフィリアに、
その三択とは?
恋人と下僕とペット
無言でレイトが俺を見た。
嫌な予感がする。
おい……本当に恋人じゃないのか?
というか恋人を選らんでおけばいいんじゃないのか?
そうすればすべてが解決するし
お、俺にだって好みもあるし第一手順が必要だろう!
俺がそう言い返すとレイトが淀んだ瞳で俺を見て、
だから女心が分からないと言われるんだ
な、何がだ
というか俺に記憶とはつながらないが何処かでユニ達はあっているんじゃないのか?
俺には記憶がない……
いいから思い出せ。そして恋人になれ。僕のために!
微妙に薄情な友人のレイトを睨んでいるとそこでフィリアが、
ふーん、下僕は随分夢見がちなのね
わ、悪いですか?
ユニコーンの力って実は魔法的な種族の中では特に強いのよね。
だから恋人をって話になるのでしょうけれど
うう……
まあ、何時でも下僕からクラスチェンジしたくなったら言ってね。
可愛がってあげるわ
最後に可愛がると付け加えたフィリアが悪そうに笑っているのを見て、俺は嫌な予感を覚える。
言うとおりにするとロクな事にならない気がする。
俺がそう思っているとそこでレイトが、
それでフィリアは“神殿”に追われていると聞いたけれど何をしたのですか?
さあ、才能がありすぎたのよ
そうですね、答えてくれませんよね。
でもうちに直接使者が来たら、ここにお通しするしかないんですよ
でも貴族の家だから手順を踏まないといけないし、その間に逃げればいいだけだしね
貴族の家であるのもフィリアにとっては、使える材料であったらしい。
ただ今の話を聞いていると、そう簡単にまたここを逃げ出すような羽目にはならなそうである。
手続きとかがありそうだ。
よし、だったらと俺は思って、
寝ていいですか?
俺、昨日から一睡もしていないんですよ
そうなの? 大変ね
そうなんです。
レイト、ベッドを借りてもいいか?
ああ、じゃあ今後の方針はフィリアと僕とで話し合っておく
よろしく
眠気には勝てない、そろそろ暖かい布団で……そう俺が思っているとそこで、ドアが二回叩かれる。
フィリアがハッとしたようにそのドアを見た。同時に、
下僕、そして下僕その2、今すぐ逃げられるよう準備を
焦ったように小さく告げる。
レイトは急いで何かを集めた茶色い袋を手に取る。
そこで部屋のドアが開かれた。
来ちゃった、フィリアちゃん♪
一人の可愛らしい少女が姿を現したのだった。