ある日の事、天界にて
ある日の事、天界にて
勇太よ何故お前は仲間から
あのような扱いを受けているのだ?
謎の生命体(勇太の父)は
モンスターからの攻撃を、
盾の代わりに勇太で受けている様子を指した。
そんなの、知るか!
なんかチクチクすると思ったら、
そういうことだったのか!
胸に手を当てて、思い出してみなさい。
それは心臓がある奴を説得する際に
使う言葉だ。
今の俺には、響かない。
心臓が無いからな!
上手い事を言ったつもりか?
それよりも、心あたりは無いのか?
・・・
無い!
それなら仕方ない。
それにしても、お前はいつ生き返るのだ?
復活させる気配がないぞ?
それな!
こっちの世界に居たら、何もできんだろう。
「あいつらのみが知る」ってか?
あれでは、市中引き廻しの計では無いか!
みっともない。
勇者だろ!
復活させてもらえよ!
いや、別にいいや。
あいつら言うこと聞かないし!
メンドイ!
死んで晴れて自由の身だ。
勇者だろう。
魔王倒していないだろう!
旅の途中じゃないか!
じゃ~、お前が魔王倒せよ。
お前が死ぬから、
俺が勇者にさせられたんだ!
俺はパス。
育て方を間違えた。
殺されて、
良かったのかも知れないが
俺では魔王は倒せない。
勇太でないと倒せないのに、
どうしたものか?
勇太よ、
現世にやり残した事は無いのか?
もし、条件付きで生き返れるなら
どうする?
奇麗なお姉さんと遊びたい。
上手いものを食べていたい。
楽して暮らしたい。
豪遊したい。
有名になって、・・・。
欲の塊じゃないか。
情けないぞ、父さんは。
あと・・・。
もうよい。
魔王を倒せば、
願いが叶うと言われている。
もう一度生き返って、旅を続けなさい。
あいつらが生き返らせてくれないと
無理じゃないか!
一つだけ方法がある。
願うのだ。
願うだけで良い。
勇者のみに許された、
一度だけ使える秘技リセット機能じゃよ
もっと早く、言えよ。
くそ親父!
・・・。
煩悩の塊じゃが、わしの息子だ。
世界の為に、倒してくれ!
こうして、勇者は現世に戻る事となった。
条件も聞かずに生還して、本当に良かったのか?
ともあれ、この物語はまだまだ続く!