途中親友から貰った薬草にその辺で汲んだ井戸水を混ぜて偽酒を作り出す。
途中親友から貰った薬草にその辺で汲んだ井戸水を混ぜて偽酒を作り出す。
未だばれてない辺り、あいつら舌おかしいよなあ。
ちょいと、そこの人
家に帰っていると、紫のローブを着た男か女か分からねえ奴に呼び止められた。
何だか美味しそうな匂いがするねえ
……はあ
この酒の事か?
いや、瓶に入ってるし臭わねえはずだが。
君、鼠を飼っているね
……?
分かる。分かるよ。美味しいものね。ね・ず・み
やばい。
こいつ危ない人だ。
関わらないようにしよっと。
ちょいと、無視しないでおくれよ
放せ変態!
酷いわねえー、折角、貴方に協力しようと思ったのにん
……協力?
そうよん。貴方、復讐したい人はいる?
……!
何でこいつ、その事を知っているんだ?
いや待て。この格好を見てそんな事を言っている可能性も。
ああー! 分からねえけど、心の中覗かれているようでむずむずする!
そう怖がらないで
怖がってねえよ。いや、変態怖いけど
変態じゃないっての。私は、魔法使い
……やっぱ変態だ
魔法使いよ! 本物よ?
なら魔法の一つでも使ってみろよ
はい
そう言うとローブの変態が右手を差し出す。
そうして、掌から拳程の大きさの火を生み出した。
!?
どう? 信じる気になった?
マジで魔法だ。
魔法使い……本当にそんな存在がいるだなんて。
本当に、協力してくれるのか?
勿論。詳しく話してみて
俺はその力に惹かれるようにして、今までの事を変態、改め魔法使いに話した。
魔法使いは時々相槌を打ちながら親身になって話に耳を傾ける。
こいつ、変態だと思ったけど実は良い奴なんだな!
そう、辛かったわね。でももう大丈夫よ! 私が貴方に魔法をかけてあげる
ほんとか!?
今日の夜、貴方の家に使いを送るわ。詳しくは、貴方が何時も行っていると言う夜の会議で
分かった。待ってるぜ!
それじゃあね
おう! ありがとな!
魔法使いに礼を言ってその場を立ち去る。
魔法使いの協力を得られたんだ。復讐の時は近いぜ。
ふふふ。こんな手品で騙されちゃって、可愛い子。でもまあ、魔法は掛けてあげましょう。だって面白そうだもの!! ああ、舞踏会の日が楽しみだわ!