どんな物語にも終わりはある。
どんな物語にも終わりはある。
のっけから不穏じゃねえかおい
それを吹き飛ばす活躍をしてほしい所だが……。
さあて、まずは大事なルールを説明しよう。Coinの借金ルールだ。
あー、まあ、仕方ねえもんなあ。依頼ごとの力の配分も、これから考えていかねえとな。
して、この者はどれくらいの金額を借りることができるのだ。1枚や2枚では足りぬ状況であるぞ?
そこは安心……て額でもないんだが、【器】×10Coinまでの借金が可能だ。ガッツの【器】は2だから、20Coinまで可能だね。
現在の所持Coinが1。一依頼を無難にこなせれば良いが、そうでなければ……という所か。
ま、やるしかないだろ。つっても、先の失敗が響いてろくな依頼が無いんだが……。
ならば、ワシから一ついいかのお
ぬおッ! いきなり出てくんなよマッシヴのじっちゃん!
先日は力足らず、一家の皆さんに大怪我を負わせてしまった。申し訳ない。
なに、戦の負傷はマッシヴの誉れ、気にせずとも。
じゃが、もし良ければ、ワシからの頼みを解決してくれんかね。
うむ、我らの力が必要ならばなんなりと。
おーい、俺置いてけぼりで話進んでんだけど、差配すんのは俺だぜ?
受けないの仕事?
んな訳あるかよ。じっちゃんには世話になってるし、疾るスピードで差配してやるよ!
うむ、それでこそ差配屋ガッツ殿じゃ。
さて、依頼というのは……我が息子たちの宿敵を、探し出してほしいのじゃ。
宿敵……なあ。もちろん探すのはOKだが、目印になるような特徴はあるのか? 顔に傷とか、髭面とか。
顔じゃ
顔、ですか。それはどのような。
探してほしいのは、マッシヴ四兄弟が末弟、マッシヴェリタス。兄弟は四つ子、同じ顔をしておる。
弟が……宿敵?
うむ。マッシヴェリタスは幼い頃から優秀な頭脳と強靭な肉体を持ち合わせていた。が、同時に生まれた四つ子なのに、取り出された順番のせいで末弟扱いされるのが我慢ならんでな。我が家の家宝『マッシヴストーン』を奪い出奔した。それより数十年。兄弟も中年の域に差し掛かり、ワシもジジイになった。
……一目でも、息子の顔を見たくてな。探せるのは、兄弟が治療で入院している今しかない。あやつらもなかなか、頭が固くてのう。
反対されない今の内に……ですか。
OK。そういうことなら急がねえとな。カッシー、メイちゃん、ちょっくら力貸してもらうぜ。
だからカッシーではないわ! ともあれ、我にできることなら何なりと。マッシブ老の力になろう。
私も微力ながら。前回の失策の負い目もある、今度こそ成功させるよ。
話は決まったかな。んじゃあ依頼情報だ。
依頼『マッシヴェリタスを探せ』
難度20
=【基礎(10】+【雑踏(5】+【危険(5】
報酬25Coin
けっこう難度あんな……。
難度の数値とかは随時調整しながら提示してるんでね。β2から【力】6の人材も出てくるし、こんなもんだろ。
くう。仕方ねえか。メイちゃんが居るから【力】6は確定として、確実にやるには良い人材が何人か必要だな、こりゃ。
んじゃ、Coin2枚借金して、最初の人材を、と。
現れたのは【力】6 タグ【公務員】
人探しなら任せろと言ったろう?
今日は調子が良い。そう時間はかけんさ。
ありがとおっちゃん!
これでちょっと気が楽になったな。んじゃ、もう3枚借金して、もう一人。
二人目は【力】1 タグ【無宿人】
へっへっへ。よろしく頼んまさあ、兄貴
ちゃんと1も出る訳な……。
えー、もう3Coin借金で、いま借金8か。次こそいい感じの出て来いよお。
三人目は【力】3 タグ【小柄】
なにやらお困りのご様子ですね。お手伝いさせて頂いてもよろしいでしょうか。
ありがとう! すっっっっっごい助かる!
でれでれしおってからに……
さあて、いまのとこメイちゃん合わせて【力】16。普通ならこれで勝負かけたいとこだが、負けたら終わりだからな。もう3枚借金して借金11。さ、ダメ押しの1人だ。
四人目は【力】4 タグ【ホット】
Hey! ピンチに駆け寄る一陣の風! ベルちゃんがダメ押しの一発、キメてあげるYO!
なんかすげえの来た……
と、とにかく、これで【力】計20。19あれば十分dし、ヴィーランのおっさんを解雇してCoinを1確保して……。
おっと。借金中の収入は先に借金の返済にあてられるんだ。だもんでこいつは頂くよ。
ぬああ!?
くっ。まあ仕方ねえ……気持ちを切り替えて、ダイス振った時点で成功だが、一応どんな目が出るか振っとくか。
依頼解決判定
2d6の出目は――6
ふ、普通……まあいい。さ、頼んだぜ!
失礼ですが、あなたは。
!
はいはーい! 逃げ出す前に話を聞いてほしいんだYO! もっとも、退路はぜんぶCLOSEDなんだけどNE!
わ、わたしに、何の用が。このような日陰者に。
あなたを探していた方が居られまして、その方の依頼でこうして伺いました。ぜひ会われてください。その方も、あなたも、待ち望んでいるはずですよ。
ああ。そのような暗い顔をしないことだ。感動の再会には似つかわしくないし、なにより、マッシヴ家の者として似合わない表情だと、わたしは思うな。
マッシヴ……!
そう、マッシヴじゃ。それが我らの名
――!
会えて嬉しいぞ、息子よ。
そうそうくたびれる身体ではないと自負しているが、ワシも歳じゃて。親不孝も、いつまでもできる訳ではないぞ、マッシヴェリタス
わたしは……く……ッ!
む、待ちたまえ!
なんという健脚……!
追いかけるYO!
いや、良いのじゃ。
一度会えたなら、二度、三度と会えることもあろう。それまでせいぜい、ワシも長生きさせてもらうでの、ほほほ。
おじじ殿、無理をされておるのでは……。
老いても弱音は見せない、か。
だー。嵐みたいな勢いで走っていっちまった。
あれだけの脚力がありゃ、人材としても十分やってけるぜ?
おお。それは良いのう。
縁があれば使ってやってくれ、差配屋ガッツ殿。
これは約束の報酬じゃ。また世話になることもあろうて、息長く差配屋の仕事を続けてもらわねばワシも困るのでな、ほほほ。
おう、ありがとな。
半分弱は借金に取られちまうが……なんとかなるか。よし。よし!
嬉しそうだのう。
仕事への誇りがあるのは良い事だ。
……わたしも見習わねばな。
一時はどうなる事かと思ったが、まあ、なんとかなるのはなったか。
んじゃまあ、次は容赦しないから、ね。
どんな物語にも終わりはある。
だが、マッシヴ老と息子たちの物語は、これからも続いていくのだろう。
そして、わたしたちの物語も、もう少しだけ続いていくらしい。
差配屋ガッツ
【器】2
【所持Coin】15
【子飼人】カ・シミ・ィル メイ・ストーム【EXP】
5 Pin Biz に続く