朝
朝
………………
気まずい……
とりあえず謝ろう。
昨日はちょっと熱くなり過ぎた。
悪かったよ。
父と母を殺されたんだ無理もないわ。
私こそ少しどうかしてたわ。
ごめんなさい。
ああ、どうかしてるぜ。
魔の物が本当の敵じゃないっていうなんて。
そのことだけど忘れて。
ユーヤに雑念を抱かしてしまったわ。
魔の王は近い。
魔の王を倒すことだけに集中して。
ああ、そうだな。
味方の基地も近くにあるなら楽にたどり着けるだろうしな。
ええ、ではそろそろ出発しましょう。
時間がおしいわ。
そうだな。
善は急げ、だ。
二人は村を離れ魔領に入った。
魔の物の襲撃にも対応しつつ
魔の王が潜むと言われる洞窟へたどり着いた。
魔の王はこの洞窟の奥だ。
随分あっけないな。
魔の王もたいしたことないのかも。
ギャオオオオオオオ
最後の門番か。
まあひとひねりにしてやんよ。
…私が引きつけよう。
ユーヤは先に行け。
今や、そなたのほうが強い。
はやく倒して来い。
きっと彼女も待っている。
ああ、わかった。
あのくらいの魔の物ならプリーテスだけでも余大丈夫だろう。
あなたが私を殺しに来た勇者か。
そうだ。お前を殺しに来た!!
お前に殺された者たちの仇、ここで討たせてもらう!!!
ええ、私は魔の王。
人々を殺めた大罪人。
私は準備はできているわ。
さあ、かかっていらっしゃい。
覚悟!!!
そ、そんな……
無抵抗だと……!?
………………
き、貴様、俺をなめているのか!?
…さては貴様油断したところを狙うつもりか。
………………
その手には乗らん!!
とどめも刺したしこれで終わったな。
あっけなかったな…
はは……
ユーヤ!!
プリーテス!!
無事だったのか!!
……魔の王はどうなった?
ご覧のとおりだ。
しっかりとどめも刺した。
そうか、ユーヤおめでとう。
お前は人々の仇をとったのだ。
おめでとう。
お…めでとう。
お…で…う。
う……
うっうわあああああん
お、おいどうしたんだよ。
プリーテスはその場で泣き崩れてしまった。
プリーテスが泣いた理由は俺にはわからなかった。