さて、メガネの男はおばあさんの家の近づいた後、詮索で得た情報をもとにすぐ特定しました。

 トントンと扉を叩くと・・。

はいはい。どなたかの?

 と、言う、おばあさんの声がしました、
 するとメガネの男は・・。

メガネの男

お邪魔するぜぇ、ばあさん。

メガネの男はおばあさんの家の扉を蹴り破り、家に侵入してきました。
 ベットで寝ていたおばあさんもこれにはびっくり、慌てて起き上がり言いました。

おばあさん

お前一体何のつもりだい!?

メガネの男

悪いなばあさん・・、
教会の者だ・・あんたが魔女ってことは
分かってんだ、ついて来てもらおうか?

おばあさん

何ぃ、あんた知らんのかい?

私たちはあんた方教会のお偉いさんに
製薬技術と医療技術を授けて魔女である
ことを黙認してもらっているんだよ。

教皇様の印付きの書状だってある、
教会のどの地位の者か知らんが・・
すぐに帰るんだね!

メガネの男

ほうほう、教皇様の書状ね・・。

 メガネの男はその言葉を待っていましたと顔に表すような怪しい笑みを浮かべ語りだす・・・。

メガネの男

ああ、知ってるとも・・。

おばあさん

・・・・、

 知っている・・その言葉に疑問を抱きつつも、
おばあさんはメガネの男の言葉には切り返さず
にいました。

メガネの男

46年前・・そうあんたがまだ若い時だ、
この『アルヴィド』周辺で疫病が蔓延し大きな被害がでた。

もちろん教会の者もたくさん死んだ、
それを救ったのが『アルヴィド』の
魔女・・あんただ。

それから、『アルヴィド』の魔女を黙認する代わりに、あんたらにその技術のすべてを提供するよう求めた・・それが教会と魔女の密約・・。

魔女の作った薬は、教会が神から授かった神薬として・・、
国中で蝕んでた疫病を治した、教皇様もその功績に密約を許し、書状を送り互いの結束は完全に成ったってところか?

おばあさん

・・・分かってるんだね・・、
じゃあなぜこんな真似を?

メガネの男

邪魔になったんでね、その密約、
俺の任務はばあさんは連れ去り、書状は廃棄だ。
分かりやすくていいだろ?

おばあさん

今更・・なんて愚かな・・。

メガネの男

だよなぁww
狩られる側の魔女に書状送ったりしてな、内部の組織図変わればそんなの要らなくなるの目に見えてただろうがぁ!!

ハハっハハハハハハ、可笑しいよなww

一通り説明した後メガネの男は、急に笑い声を挙げ、おばあさんを突き飛ばしました。

おばあさんはベットの上に叩きつけられました、メガネの男は間髪入れずおばあさんを気絶させようと首筋を両手で締め上げました。

おばあさん

かっ・・・・・あ゛っ・・。

メガネの男

安心しな、さっき言ったとおり生け捕りだ。

病人のばあさんも死なないよう加減してやるよ!

おばあさんの意識は朦朧とし・・・



意識は・・無くなっていき・・・

















・・・・とその時!

メガネの男の頬を何かがかすめました。

かすめたモノは壁にあたり、パリンっと音を立てて破裂、甘い匂いを放つ液体をまき散らしました!

メガネの男

・・・っ!

突然の横槍に、勝ちを核心していたメガネの男は驚き、おばあさんから手を引きモノが飛んできた方向を振り向きました。

おばあさん

ぜぇ・・ぜぇ・・・。

メガネの男

ちっ、もう少しのところを・・、

振り向いた先には、自然散策に行ったはずの赤ずきんが立っていました。

赤ずきん

病人の老人相手になにやってんの?

メガネの男

時間を浪費させるようもっと念入りに、そそのかすべきだったかな・・。

おばあさん

はぁ・・・はぁ・・赤ずきんや・・。

赤ずきん

やたら私にかまってきて、グランドマザーの家に生かせないよう自然散策とか言って違う道へ誘導してると思ったら・・。
まったく・・グランドマザーぐらいの老婆が好みだとは、なんたる熟女好き!

ベットの上で重なっててびっくりした!

思わずブドウ酒投げちゃったし・・もう!

 さっき壁に当たって砕けたのはおばあさんにあげるはずだったブドウ酒でした・・。

おばあさん

ぜぇ・・赤・・ずきん?

おばあさん

(ちがうよ赤ずきんそいつは危険な奴なんじゃよ。)

 おばあさんは赤ずきんの勘違いにツッコミをいれたかったものの、まだ意識が薄くて言葉にできない様子・・。

メガネの男

・・・ちがうからな・・。

赤ずきん

・・・ん?

メガネの男

俺は老婆好きなんかじゃねえよ!

 代わりに、メガネの男が苛立った様子で熟女(老人)のツッコミをいれました。

おばあさん

赤ずきんや、そいつは教会の者で私たちを殺そうとする悪い奴だよ!

赤ずきん

ナンダッテーーーー!!

メガネの男

殺しやしねぇよ、ばあさんはな。

メガネの男

だが、ガキは別だな。
捕えても何の得にもならない知恵しかなさそうだしな、消えてもらうとするか。

 メガネの男が一瞬目を閉じた時、彼の体から黒い煙のような物体が出てまとわりつき始めました。
 その物体のせいか部屋のなかは男を中心とした気流を生み、吸い寄せられる風におばあさんと赤ずきんはこらえるように身を縮こませました。

赤ずきん

うっ・・これは!

おばあさん

なんなんじゃ!!
この黒い煙のようなモノは!?

メガネの男

なんだっていいだろ。
すぐに楽になる、じゃあな赤ずきんちゃん。

 説明を省き、メガネの男は赤ずきんにすばやく接近すると同時に拳に纏わせている黒い物体を集めた。
 

赤ずきん

ちょ・・はや!!

 口数が多かったメガネの男だったが、無言のまま赤ずきんへ拳を突き出した。
 あまりの速さに赤ずきんは反応できず、突き出された拳から吹き出す漆黒に飲まれてしまった・・。

おばあさん

赤ずきーーん!!

後編(2)へ続く・・。

序章 オオカミと赤ずきん - 後編(1)

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