そういうと彼女はどこからともなく
日本刀を取り出した。
さあ、お迎えの時間よ。
そういうと彼女はどこからともなく
日本刀を取り出した。
はいこれ。
ジャップはこの剣で戦うんでしょ?
ああ、、、
いつもの軍刀とは扱い難いが、悪くない。
名刀なのだろうか。
手持ちの武器はそれだけだから大切に使って。
それで反抗しようなんて思わないでね。
いつでも殺すから。
ああ、わかっている。
ところでお迎えとはなんだ?
あの魔女よ。
そう言うと彼女は部屋を出た。
ついていくと先ほど来た道にはあの魔女こと
シェミーが10メートル先に立っていた。
酷いじゃない。
私の食事を邪魔するなんて。
昨日から何も食べてないのよ。
ごめんなさい。
あんまりにもまずそうだから。
貴方のこと心配してのことよ。
女はいつでも怖い。
どこでもそれは共通しているようだ。
あら、そう。
なら貴方をいただこうかしら。
行きなさい。≪ビヤーキー≫。
シェミーがこちらを指さすのと呼応するように二体の化け物が彼女の後ろから姿を現す。
っっ!なんだよあれ!!!
所詮は雑魚よ。殺せるわ。
雑魚と表現されたそれは
翼を含め二メートルはあるでろう。
巨大なかぎ爪に口ばし、この世に存在するとは思えない生き物であった。
一匹でいいわ。
あとはなんとかするわ。
わかった。
対怪物の戦闘なんて平安時代なら教えてくれるだろうか?
なんてことを考えつつ刀を抜いた。
驚いた、自分はこんなにもどうでもいいことを考えられるほど恐怖はしていなかった。
幸い廊下は戦闘ができるほどには広かった。
………………………………………………………………………………
彼女は何か呟いているようだ。
うまく聞き取ることができない。
フォーマルハウトより来たれ。
≪炎の精≫よ。
そう彼女が言い終えると周りに無数の火の玉が浮かんでいるように見える。
その火まるで意識があるように見える。
途中まで突っ込んできた化け物が一瞬戸惑いをみせたが、再び突っ込んできた。
しかし化け物に火が反応し焼き付いていく。
ギャアオオオオオオ
もう一体の化け物がこちらに飛び込んでくる。
自分の身は自分で守らなければ。
最初は後手に回り様子を見よう。
まずはかぎ爪を刀で受け流す。
ーーっくう!!
我ながら情けない言葉を吐いてしまった。
そんなことより次だ。
尻尾か?口ばしか?
どちらにしろ回避優先だ。
キィィンと高い音が響く。
爪による連撃だった。
思っていたよりも単純な思考なのかもしれない。
現に振りが大きく、隙も大きい。
ならばーーー。
ハァーハァー。
はは、意外と大したことないんだな、化け物め。
ーーーやった。
化け物の首を切り落とした。
頭が転がり落ち、頭があった部分は血が噴き出している。
炎の精だよりね。こんな下級の種族じゃ私をころせないわよ?
そう言うとシェミーは息を深く吸い込んだ。
どこでもいい!隠れて!
俺は咄嗟に隣の部屋に飛び込んだ。
ーーー≪SONG OF HASTUR≫ーーー
間に合え!
ーーー≪SONG OF HASTUR≫ーーー
頭が割れそうな音があたり一面に響く。
互いの不協和音がぶつかり相殺される。
そして二人の間にあった化け物の骸は皮膚と肉が泡立ち、ポンという音で破裂したのだった。
へえ、あなたも歌えるんだ。
邪教徒のくせに。
ただ力を借りてるだけよ。
彼女は言い捨てると走り出した。
一気に距離を詰めた。
あら、死にに来たのかしら。
シェミーは左手を振り上げる。
裾からは触手のようなものが這い出てきた。
そしてそれを振りかざした。
床が潰れる音がした。
砂煙が軽く上がる。
見ていた限り直撃だった。彼女は生きているのだろうか。
安否が心配だが、
この 隙 を見逃すには大きすぎた。
ーーーっせい!!!
一気に接近し切りかかる。
いつの間にっ!!!
なーんてね。
瞬間、叩きつつけられていた触手は異常な速さでせまる。
俺は受け身をとることすらできなかった。
ーーーぐはっ
触手に吹っ飛ばされ壁に叩き付けれる。
意識が一瞬飛びかけたが
まだ持ちこたえられそうだ。
ビヤーキーを殺したぐらいで図にのらないで。
剣を振ることしかできない東洋人のやることなんてお見通しよ。
シェミーは触手を裾の中に戻し近づいてくる。
逃げようとしたが、先ほどの攻撃で足がやられたらしい。
どうやらここまでのようだ。本土には帰れそうにない。
まずはあなたからいただくわ。
≪FIST OFーーー
ーーーYOG-SOTHOTH≫
ーーーーッッッッ!!!!
呪文らしきものが唱えらた瞬間
シェミーは吹き飛ばされた。
いいや、それはまるで見えない拳で殴られたようだった。
ここまで読んでくれてる人いたらありがとう!!
ビヤーキーとかわからない生物がいたらグーグル先生で画像検索してみてね!