武器をパクってしまった。

あの時は危険な状態でしかも、下僕にされてしまうという経験をしてしまったので気にならなかったが……。

こうやって荷物を持った状態で朝焼けの中を箒に乗っていると、結構高い所を飛んでいるのに気付いて、そこに意識を持っていかれないように何かを!　と思っていたら気付いてしまったのだ。

フィリアが嘆息するように言う。

そういえば学園や屋敷、貴族同士の舞踏会といったことは知っているが、そういった“外”の事情を俺は知らない。

なので何かがおかしいと思いながらも俺は、

そういったシステムになっているのかと俺が頷いているとそこで、

聞いていないよと俺は思った。

なのでそれをフィリアに告げるとフィリアは、

そこで不思議そうにフィリアが聞いてきた。

だから俺は正直に、

俺は聞かれたくない事を聞かれて沈黙した。が、

ただ話さないと凄い誤解がされそうなので俺は気落ちしながら、

フィリアはそこで俺の方を振り返りまじまじと見て、

そう言い返しながらも、俺は悲しくなってしまう。

こう見えてもムキムキマッチョになろうとプロテインを飲み、大きなダンベルを振るといった涙ぐましい努力を繰返したのだ。

だが結果は、身長が少し伸びただけだった。

友人は同じようにやっていたはずなのに。

大きな力こぶが出来るくらいになっていたのに。

そしてそれはどうやら俺がユニコーンの血を引いているのに起因するらしい。

何でも、ユニコーンは彼女の好みにうるさいと同時に自分にも厳しかったらしい。

なので最適な美しい肉体を保持させられてしまうのだそうだ。

しかもユニコーンの美学では、ムキムキは許されないものであるらしい。

そんな事情から俺は早々に体を鍛えるのを諦めて、こうやって言葉遣いから男らしさを醸し出すことにしたのである。

そんな俺を見ながらフィリアは、

まさかそんな答えが帰ってくるとは思わず、俺は戸惑ってしまう。

でもそう言ってもらえるのはやはり嬉しい気もする。なので、

ついそんな言葉が口から出てしまう。

だがそれを言って俺は後悔した。

フィリアがにやりと暗く笑い、

つまり今の言葉は飴であったらしい。

これからどんな鞭が飛んで来るんだろう、俺がそんな不安にかられていると更にフィリアの笑みが深くなっていく。

な、なんとか話題を変えなければ、そう思って俺は、

フィリアはそこまで言って口をつぐんだ。

だが俺としてはピンと来ないというのが本音だ。

なにせ“神殿”はとても特殊な才能を持つ人達が集められる特別な場所。

研究機関としても機能しているという色々なものがごっちゃになった場所なのだ。

なので追手というの不思議である。

考えられるのは、フィリア自身が特殊な能力を持つか、特殊な宝物を盗んだか、

他にもありそうだが今は思いつかないので割愛するが……特殊な事情があったのだろう。

何でこんな人の下僕という更に厄介事に巻き込まれそうになっているのかなと思う。

そこで俺は、遠くに見えてきた町に、ようやくこの高い場所から降りられると安堵したのだった。

街にやってきた俺は早速フィリアにお使いをさせられていた。
　
つまり、あそこに盗賊がいましたよと報告するものである。

もしもそこで家族に俺のことがバレたら拘束されるのではと俺がフィリアに言った所、

手招きされたので近づくとジーとフィリアが俺を見る。

変なぐるぐるにょろにょろした魔力を感じていた俺だけれどそこで、

フィリアに言われてその建物に向かった俺は、事情を話す。

すると早速確認しますと言って箒に乗り、俺が伝えた人はその場所で伸びている彼らを確認したらしい。

“魔女”って意外に沢山いるものだなと思いながら、連絡を受けた別の人に少額だがお金を渡される。
　
それを受け取り目的の場所に向かうとフィリアが残念そうな顔でやってくる。

僕は焦ったようにフィリアと手をつなぐ。

それに驚いたようにフィリアが振り返って、それから微笑み、

フィリアがそう元気に俺に答えたのだった。