今日さ、友達に恋の相談なんてされちゃった
ほほう、君のような凡庸な男に意見を求めるあたり、その友人の思惑が見てとれるようだな。
大方ありきたりな言葉で背中を押してくれといった所だろう。
そういう時の悩み相談というならば、君ほどの適任者はそうはいないだろうからな
そんな褒めないでくれよ。照れちゃうよ。
ところでさ、凡庸ってどういう意味?
愛すべきバカ
ところでどんな相談だったんだ?
恋の相談だよ。
その友人には好きな子がいて、
最近イイ感じだし、告白した方がいいかなって
君の友人は愛されざるバカだな
え、どうして?
"告白"というのは告げるという意味だ。
別に交際するための契約交渉というわけではない。
交際できそうだから告白するというのも、交際したいから告白するというのも私は間違っているように思うぞ。
好きでたまらなくて、伝えずにはいられなくて、そして好きな相手だからこそ素直に気持ちを伝える。
そうだからこそ、告白は嬉しいものなんじゃないか。
打算まみれの告白など掃いて捨ててしまえ
んー、確かに。
言われてみればそうかも。
それで、凡庸な君はなんと答えたのだ?
背中を押されなきゃ告白できないならしない。
僕が今止めても気持ちが変わらないなら、
それなら告白したらいいんじゃないかな。
告白をしないで、自分のなかでゆっくり温めるのも恋の醍醐味だと思うよって。
まったく君というやつはこれだから…
好きでたまらないよ。
好きだぞ、大好きだぞ、愛しているぞ、
"愛してる"なんてたった四文字では表しきれないほど大好きだ
ちょっといきなりどうしたのさ!
ここ教室だし、ちょっとほらこっち見てる人いるから!
君があまりにも素敵なのがいけないと私は思うんだ。私は何も悪くないし、ここが教室だから何だと言うのだ。
それに君に止められた程度でやめられるほど、私の思いは浅くないってことさ
ところで君は背中を押されないと言えない程度なのか?
あーもう!
大好きだってんだバッキャロー!!
イヂワルなところも大好きだよ
君というやつは…
一家言はあまり持っていないのに、
一言は多いのだから