放課後の学校。



階段の踊場にある鏡の前。






二人はあたかも



永遠の愛を誓うかのように




儀式を行う。












false * false is true?










少年は少女にされるがまま



手に指輪をはめた。



少年も少女の申し出が嬉しかったのだ。


大地

佳子……。









それは少年の偽らざる思い。




少女との永遠の愛を願う思い。




少年は安堵の顔を浮かべていた。























だが、







それは仕組まれた







偽りの儀式でしかなかった。


















次の瞬間。









大地

うぅ?
なんだ、これ……!


あぁ…なんてこと……

だいち!

だいちぃ!!!






少年の体は引き剥がされるかのような感覚を



覚えたかと思うと



自分の意識が体に繋がっていないのを感じた。










………

明日菜

んー?どうなったかなぁ?

明日菜

ねぇ、大地君。

俺はそんな名前じゃない。

蒼空

蒼空だ。

明日菜

あぁ、そうなの?
ごめんねぇ、蒼空くん。


なんだこれ?

どうなってんだ!?

勝手に喋り出した!?



だいち……

ゴメンね……

私のせいで……

私のせいで…………


その声は……佳子?

でも、目の前の佳子は

喋ってないぞ……







二人の入れ物の手につけられた指輪は



いつの間にか消えていた。










もう、取れることはない。



明日菜

ええっと…。
ソラくんだっけ?

明日菜

バイバイ。

蒼空

ああ、サヨナラ。

明日菜

さぁて、何して遊ぼっかな―。











蒼空

本屋さん寄って帰るか。
読みたい漫画、たくさんあるんだよね!
















































とある学校の階段の踊り場には




何十年も前の卒業生が寄贈した




大きな鏡がある。












その鏡の前で夕方18:01:13に




カップルが手を繋いで鏡を見ると




見たこともない二人の男女が




幸せそうに、しかし、




どこかもの悲しげな顔をして




立っているという。















噂ではその二人の手には



お揃いの指輪が



つけられているそうだ。













佳子

だいち……。
ずっと……いっしょ……だね

大地

……ああ……ずっとだ。








































ツヴェルタ

残念ですねぇ……。
彼女らならこの試練も乗り越えられると思って選んだのですが……

ツヴェルタ

私の目も曇ったものです。

ツヴェルタ

まぁ、非現実の世界で
永遠に手を繋いでいられるのであれば
それはそれで一つの正解と考えますかね。

ツヴェルタ

!!!

ツヴェルタ

そこのアナタ。

ツヴェルタ

これをどうぞ。

ツヴェルタ

これは人の心を映す、
鏡の指輪…。
これをあなたにあげましょう。









































































































































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