女体化させられるのは嫌だったので逃げ出した俺だけれど、

ユニ

逃げる時に、使用人の執事やメイドまで追ってきた時にはこれはないと思ったよな。

ユニ

まあ、どうにか今の所は逃げ切れたから、後は……恋人探しだな

ユニ

まさかこんな理由で家を出て恋人探しに向かうことになるなんて思わなかった



女顔だと言われているから、もう少し男らしく見せようと“僕”ではなく“俺”と言っていたのだ。

そんな男らしくなる俺の努力が無に帰すような出来事。

そもそもこの努力も全部、理想の彼女を手に入れるため。

なの、だが。

ユニ

恋人というか彼女探し。
全然うまくいかなかったんだよな……

華やかなモテモテ男の真似をしてみたが全く上手くいかなかったし、好みの子を見つけても彼氏持ちだった。

何がいけないのだろうとあの時も友達のレイトに、客観的な意見を聞きたかったので聞いてみたのだが、

レイト

それはそうだろう。ユニは美形なのに“地味”だからな

ユニ

美形なのに地味て……

レイト

存在感がないのだよ

ユニ

た、確かに俺は大人しいけれどさ……それを言ったら、レイトだってどうなんだ

レイト

ふ、俺の場合は、いざという時は魅了の魔法を使って惑わすからいいんだ!

ユニ

そ、それって犯罪じゃないか!

レイト

偽物の恋が本物の恋に変わるように頑張ればいいんだ! 

レイト

恋愛物にはよくあるシチュエーションではないか!

ユニ

いや……ひょっとして、レイトも追い詰められている?

レイト

……

ユニ

まあ、お互い頑張ろう

レイト

……ふん、そうだな

といった会話をした記憶がある。

それからは、それなりに人とは上手く接してきた。

ユニ

女友達もいたにはいたにはいたのだけれどな……。
でもそれ以上の関係にはならなかったんだよな。

ちなみにその女の子は、一緒にいたレイト以外の男友達の彼女になったりしていた。

どうしてなのだろうと思う。

俺の何がいけないんだろう。

ユニ

運命の出会い、運命の女性

そんな人が何処にいるのだろうと思う。

好きになった相手は居て、ふられ続きだったけれど……恋愛小説のようなそんな想うような相手は今まで出会った事すら無い。

そういったものにはほんの少しだが、俺にだって憧れはある。

でも確か昔、

ユニ

昔会ったあの女の子は、可愛かったよな


ふと思い出した少女。

七歳になったばかりの頃に出会った、少しお転婆な金髪に青い瞳の少女。

でもちょっと活発なだけで、大人しくて優しい感じの子だった気がする。

舞踏会では柱の陰からよく僕を見ていたけれど、話しかけるとすぐに逃げてしまった。

ユニ

でもある時から見かけなくなっちゃったんだ

風のうわさでは事業に失敗して家が傾きかけて舞踏会に来ている所では無くなったと聞いた。

でも、それはどうにか持ち直したと、風の噂で俺は聞いている。

その後はもう俺も会う機会はなかったので分からないし話も聞かなかった。

年は同じ頃だったから、きっと今は綺麗でお淑やかな美少女になっていることだろう。

きっとこんな風に

ユニ

でもあの時以来、社交場も含めて一度も顔を合わせていないんだよな。
だから、もしかしたなら会える事はもう二度と無いのかもしれないな……

ユニ

名前はフィリアと言っていた気がする

昔、逃げ出した彼女に一度だけどうにか追いついて、俺は彼女に名前を聞いたことがあったのだ。

ふぃりあ

名前は、フィリア、皆にはリアと呼ばれているわ

そう言って微笑んだあの子の笑顔がまだ俺の脳裏に焼き付いている。

もしかしたなら、俺はずっとあの子に恋をしていたのだろうか。

ふと浮かび上がった疑問はすぐに、それ所ではない事態にかき消されてしまったのだった。

左右の深い森、その下に広がる草むらから現れた男達は、山賊であるらしい。

そういえばこの山道の入り口には山賊注意の木の看板がかけられていた。

ユニ

でもこの道を通らないと、スクレーンの町にいけないんだよな

ユニ

とりあえずレイトにかくまってもらおうと思ったけれど……まさかこんな所でこんなのに会うとは

ユニ

俺ってついてない

山賊

何を一人でごちゃごちゃいってやがる!


そこで俺は山賊の頭らしき男が叫ぶ。

目の前にいる山賊達は両手に鎌やら剣やら槍やらを持っていて、服も破けたものを着ていて、全員が俺を侮るかのように見ている。

人数は五人ほどのようだ。

山賊

貴族のお坊ちゃんが、こんな所に一人でふらふらしていたら危ないぜ

そう言いつつ山賊の頭が笑う。

明らかに俺を侮っている表情だ。

確かに俺は一人で相手は五人。

しかも最近は貴族の地位は金で買える。

それが今の時代なのでどうでもいいのだが、貴族といっても強い魔力等の力を持たない者が多い。

だからこそ彼らも余裕でいられるのかもしれない。

だが俺の場合はユニコーンという幻獣の末裔でもあるので、魔力もある。

それはもう沢山。

とはいえ、いきなり魔法で攻撃するのもどうかと思うので、とりあえず護身用の剣も持っているのでこれであしらうかと思う。

こう見えて剣の扱いには慣れているのだ。

それに魔法だって使えるから大丈夫、そう思っていた所で俺の顔に何かが投げつけられた。

それは袋であり、口が開いていて、中から灰色の粉のようなものが宙に舞う。

ユニ

何だ、これ……


吸ったらまずいんじゃないかなと俺が思った時には、もう遅かった。

体の力が抜けるのを感じて、俺はがくんと地面に膝をつく。

俺は急いで、魔法を、ユニコーンの血にまつわる特殊な魔法を使おうとして……そこで声が聞こえた。

見~つけたっ♪


楽しそうな少女のその声。

嫌な予感がして、俺の背筋にゾクリと悪寒が走ったのだった。

2、彼女に出会うまでの出来事

facebook twitter
pagetop