こうして僕らは村に案内された。
みんな心配してたんだよ!
僕のこと知ってるの?
え? 忘れちゃったの? ひどいおー
レオンたんはね、悪い人に記憶を消されたのよ
そんな……ひどい
とにかくみんなに知らせなきゃ!
こうして僕らは村に案内された。
村長らしき方に僕らの事情を話すと、それはそれは温かく迎えてくれた。
獣人族は夜行性らしく、今から晩餐をしてくれることになった。
心配いらなかったね
いやあ、レオンを連れてきてくれて本当にありがとうのう
ご馳走を前に、村長から感謝される。
レオンたん、何か思い出せそう?
うん、なんか所々覚えてる!
来てよかったね
うん! ありがと!
ただ、なんか凄く大切なことを忘れてるような気がするの……
そっか、少し滞在してみようか
でも、シン達が心配するんじゃ……
置手紙してあるから大丈夫よ
その後、おもてなしに心もお腹も満足した僕らは、空き民家に案内され、ふかふかのお布団で睡眠をとらせてもらえることになった。
灯りを消しますわ。おやすみなさい
はーい
って、王女と同室寝!?
いくらなんでも男と女が一つ屋根の下ってのは、僕の理性が保てるかどうか。
んっんっ……
ごくり
僕はシェリーの胸に手を伸ばす。
ぽよん……!
にゃ(夜這いはどうかと思うけれど)
わああああ! ラファエル様!!
にゃ(獣人族より貴方が獣ね、この万年発情期野郎。キモい、去勢すればいいのに)
いや! これはその……
こうして僕は、ラファエルの監視のもと、なんとか眠りにつくのであった……。