東和街駅
パパが迎えに来るの?
東和街駅
そうみたい
なんで? お店あるのに
わからない
あ、パパ来たよ!
リカが指差す。
マスターたちが乗ったライトバンが駅のロータリーに入ってきた。
レイコたちの前で急停車するライトバン。
あ、ハルちゃんも一緒だ!
早く乗るんだ!
車窓から首を出し叫ぶマスター。
どうしたの?血相変えて
何でもいいから、早く!
レイコと子供たちはあわてて後部座席に乗り込んだ。
ラッシュの時間が過ぎた駅の構内は、家路を急ぐ人たちが数人いるだけで閑散としていた。
追跡してきた集団もロータリーに着くとライトバンを取り囲むように停車した。
ライトバンの前後に少年二人のバイクが停まり、ワンボックスカーは後方に少し距離を置いて停車している。
どうするマスター?
うん、奴らもここじゃあ手が出せないだろ
一体なんなの……
わからん、でも心配しなくていい
子供たちは、ただならぬ様子を感じてじっと黙っている。
サングラスの男のバイクがライトバンの右側に並んで停まった。
一体、俺達に何の用があるんだ!
マスターは運転席の窓からサングラスの男に向かって叫んだ。
サングラスの男はバイクに股がったまま、黙って、静かにマスターを見下ろしている。