僕の友達

神のひとりか?

ううん、ある国の王様

 王様!?




 叫び出したくなるが、叫べない。

 声が出ず、唸ることもできず、目を見開くことしかできない。

 エンはこちらを向き、同情の視線をくれた。

何かの物語の王なのだろう? 

かわいそうに、セイに気に入られてしまったんだな。

ご苦労、もう少し付きあってやってくれ

僕に気に入られたらほら、こうやってキューピッドに僕がなるときもあるじゃない? 

いいことあるよ、崇君にも!

あの

 だまって聞いていたトウコが、声を震わせながらセイさんに問う。

サンザシは

 サンザシ。






サンザシは、どうなりましたか

 セイさんは、苦しそうな表情を浮かべて、首を横に振った。

 そうして、とんでもないことを、言った。

まだ、完全には死ねていないよ

 完全にはーーなんだって?

なんだって?

 声が出ていた。


 セイさんが驚いた表情を浮かべ、直後、俺に向かって手を伸ばした。

サンザシが

 心臓が、どくん、と大きく波打った。



 どくん、どくん。



 目の前が光る。黒い光。黒い光? 


 黒なのに、光っている。

 その光が、俺を包み込む。

サンザシが、死ねて、いない?

 頭が、痛くなる。

まだだ、もう少し、くそっ

 セイさんの声が、どこかから聞こえる。

 気がつくと、身体中が黒い光に飲み込まれている。

だめだったか! 

この前記憶が戻ったときにさ、大丈夫だったから、今回も平気かなって思ったんだけどね! 

ごーめん、やっぱ強いわ、彼!

セイ、何事だ?

ロックが外れたら、反動で! 

ごめんね! 

俺の力、今物語の修復に大半使っちゃってるからさあ!

どういうことだ、セイ?

後で話すよ! 

いいから封印! 

手伝って!

……なんだ、この魔力は?

いいかーーはやーー

 






 声が遠退いていく。

 自分の声が、聞こえる。


サンザシ、サンザシ、サンザシ……

 サンザシ、サンザシ。

 ねえ、サンザシ。

 どこにいる?











 ――どこにも、いない?

 

6 秘密のディスクと不思議な姫様(18)

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