ギルド獅子奮迅様……五名様プラス二匹でご参加ですね

六名プラス一匹です!

にゃ(そうね、犬っころが一匹ね)

 お城のある首都に着いた僕たちは、ギルドバトルの申し込みを済ませる。

で、どちらの方がイルラン出身ですか?

え? なんで?

なぜって……こちらの参加条件には目を通されましたか?

 規約うんぬんが書いてある紙を渡される。

 そこには、故意に人を殺めてはいけないとか、うっかり死んでも文句は言わないとか、そう言った内容が書かれていた。

 そこに参加条件も書かれている。

 各ギルドは最大二十名以内のチームで参加すること。
イルラン国出身者が在籍しているギルドであること。

げっ!

なんでですか?

それはもちろん、わが国の催しなのですから

まじかよ……どうする?

ほら、もう僕らは見学だけにしとこうよ!

その必要はないわ

 クレアが前に出る。

イルラン国領、ルンダース出身、クレア・ウェズリー

クレア・ウェズリー様ですね。かしこまりました

ええ!!!

アンタ、イルランの人だったのか!?

なんでグラン王国の宮廷魔術師やってんすか!

なにをしようが私の勝手

まあ、そうだけど!

あたしも知りませんでしたわ

 クレアがイルラン出身ということで、申し込みは完了した。
 それにしてもシェリーまで知らなかったとは、謎が多そうな人だ。

立派なお城だねー

魔術学校なんてのもあるそうですわ

ええ

まじですか! 僕もそこに入学して学園ラブコメのほうに進みたいです!

十七歳までしか通えない

がーん

 僕らがお城を出ようとしたその時。

……

……

 和柄の二人組とすれ違った。

クレア……か?

無精ひげの男がクレアに声を掛ける。

あら

クレアじゃねーか! お前帰って来たのか!?

いいえ、旅の途中にちょっと

なんだよそれ。そいつらはなんだ?

クレアは俺のギルドのメンバーだ

ギルドだと? どうゆうことだよ。宮廷魔術師になったんじゃねーのかよ?

クレアは俺のギルドのメンバーだ

ちょ、シン! あんたの笑顔は全てをややこしくするから黙って

色々あって今に至る

はしょりすぎだろ!!

面倒くさい人

お前は昔からそうだよな! 何考えてっかわかんねえ!

師匠、もしかしてこの人が噂のクレアさんっすか!

ああ、そうだよ

クレア、この人は?

幼馴染のロイ

おさななじみ!? おっさんと!?

え、クレアって何歳

 僕は飛んで行った。

じゃあ、お前らもギルドバトルに参加すんだな

ええ

へっ。お遊びギルドが参加した事を後悔させてやるからな

違うわ

なにが?

婚活ギルドよ

 クレアは僕の腕を掴む。

ふ、ふざけるなああ!

わわっ、師匠、落ち着くっす! こんな城前で喧嘩しちゃまた怒られるっすよ!

っちょ、クレアさん

てめえ、ちょっと顔がいいからって……

せいぜい夜道に気を付けんだな

ひいっ

ギルドバトルは俺たち、花鳥風月が頂く

っす!

 そして、ギルドバトルの日を迎えるのであった。

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