賑やかなパーティーになってきたわね

パーリーじゃねぇ、ギルドだっつんてんだろ!

こだわるねー、そこ。

よし、号令だ! 俺から、いち!

 ギルド獅子奮迅、マスターのシン。

にー

 狼竜のレオン。

さん

 王女、シェリー。

しー

 エルフのヒーチちゃん。

ゴー

 ラファエル様!?

ろく

 僕と。

なな?

 天才魔術師、クレアさん。

よし! 揃ったな……

って今五番言ったの誰だ!?

ま、まぁ、細かいことはいいじゃん

 ラファエルったら、何してんのほんと。

 話せるのバレますよ。



 するとレオンがラファエルの首根っこを掴み、持ち上げる。

こいつじゃないんすか? マスター

あ、ちょっと! ダメダメ! 死んじゃう! 主に僕の方が!

にゃあ! (離しなさいこの獣!)

ははははは! こいつ動物の癖に何言ってんのか解かんないですー

レオンは動物の言葉がわかるのー?

うん、なんとなくだけ! でもこいつはわかんない! バカ猫なんじゃないかな?

あばばばば

にゃ(この獣、殺す。寝てる隙に喉を掻ききってやるわ)

レレレレオン、やめなよ! 僕の大事な相棒なんだから!

まぁ、マスターがそう言うのなら

うん、えらいぞ

って、僕はマスターじゃないよ!!

そうだぞ! 俺がギルドマスターだ! 俺に懐け!

俺に懐けって……また強引な

ボクにとっては庇ってくれた拓雄にぃちゃんのほうがマスターなんだもん。シンさんは頭悪そうだし……

なんだとー!?

 シンは顔を真っ赤にしている。

レオンたん、見る目あるわねー。よしよし

 シェリーが頭を撫でる。

えへへ。シェリー姉ちゃんは優しいし美人だし、ボク大好き

レオンたん!!

 レオンのやつ……案外目敏いかもしれないな。
 誰に付けばいいのかを判断できるのは、さすが野生の勘か。

 こうして、レオンを仲間にした僕らは、魔術師の手掛かりを追ってグラン王国より西、イルラン国を目指すこととなった。

さぁ出発だー!

イルランへは船が出てるわ

なに言ってんだ、レオンがあるじゃねーか

レオンたんを物みたいに言わないでくれる?

いいじゃねーか、ギルドの物は俺の物だ

あたしの物よ!

 いやいや、シェリーも物扱いしてんじゃん……。

クレアはイルランのことも詳しいの?

ええまあ

じゃ、案内頼むわ!

 そしてまた僕らは夜を待ち、グラン王国に別れを告げて海を渡る。

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