男から注射されたのは、いわゆる女性専用の媚薬だった。特定の細胞を活性化させ、より多くの性的快感を求めるように精神と肉体の状態を変異させる類のものだ。
最初はあんなに嫌だったのに、いまはまた彼の熱いものを求めている。
私を縛り付けていた鎖は既に解かれていた。おそらく、もう私が抵抗どころか身動き一つ取れないだろうと悟ったからだ。しかし、手首だけは未だに鎖で固定されたままだ。
そんなことより、いまは下腹部に感じる強い違和感が気になる。
男は去り際に、私の膣内にスティック状の何かを突っ込んでいった。あれは一体、何なんだろう? いわゆる、大人の玩具の類なのだろうか。
そして、たったいま気付いたことがもう一つ。
周囲の壁一帯に、小さな機械が埋め込まれた灰色の粘土が張り付けられている。
それはそれで、一体何なんだろう?