張り込みは相談日の翌日、夜七時から始まった。
斉藤家は白が基調の一戸建てだ。正面から右側が正面玄関、左側が屋根つきの駐車場となっている。これだけ見ると、それなりに羽振りが良さそうな大黒柱が一家を支えているんだろうな、などと思ってしまう。
自分の実の親はどうだっただろうか。こんな家を買う甲斐性と金があるのなら、少なくとも自分を赤ちゃんポストに入れたりはしなかっただろう。
どうせ、どっかで野垂れ死んでるに違いない。
などという物思いに耽っていると、青葉が業務用に使っているスマホが振動した。久美からの電話だ。