やれやれ……

毎朝のことながら兄妹のやり取りに疲弊しつつ、学校へ行く支度を整えた。

ちょうどいいタイミングで、玄関のチャイムが鳴った。

はいはーい

ドアを開けると、想像通りの相手が待っていた。

よっ

おっす

コイツは俺の親友だ。
小学校の頃からずっと一緒で、高校も同じクラスに所属している。

まあ属に言う、腐れ縁っていうヤツだろう。

さすがにコイツは変態じゃないだろ

そう思っていた時期が俺にもありました。

だが現実はそう甘くはない。
俺には最早普通の親友すら作らせてくれないのだ、神は。

じゃ、行くか

ああ

どう見ても普通の爽やかイケメンにしか見えないのだが、ヤツの本性はとてもじゃないがこの外見からは想像出来ない。

というかしたくない……マジで

普段の言動はいたってまともなのだが、一度スイッチが入ると全く手が付けられない。
なぜならーー

っと、ごめん

考えごとをしながら玄関を出たら、ヤツの足を踏んでしまった。

!!

ありがとうございます!!

……

お分かり頂けただろうか?
コイツの悪癖はこれである。

もっと……もっと踏んで下さい!!

断る!!

これさえなければ付き合いやすいいいヤツなのだが……現実は本当に厳しい。

……まあ今回は、不注意とはいえ足を踏んでしまった俺も悪いが。

バカなこと言ってないで、行くぞ。
遅刻する

ほ、放置プレイ……だと?!
さ、さすがは俺の親友……っ

後ろで何か言っていたが、気にしないことに決めた。

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